シアトル地元紙の記者がイチローの“決断”に敬意「尊厳を完全に保ったまま」
「マリナーズの選手はイチローを愛すべき伯父のように尊敬している」
イチローが東京ドームで開催される来季の開幕シリーズに出場する可能性は十分にあり、本当の「引退」がいつになるかは、誰にも分からない。ただ、ストーン記者は「現実的になってみよう」として、「イチローのメジャーリーグのキャリアはどう見ても、水曜日に走者2人をおいた状況で三振したときに終わった」と指摘。その上で「イチローのキャリアはこの段階で終わる時だった。そして、私はイチロー自身がその事実を理解しているだけでなく、受け入れ、尊重さえしていることが嬉しい」と綴る。
少なくとも、イチローがマリナーズの選手としてキャリアを終えるという決断を下したことは事実だ。3月29日(同30日)の今季開幕戦でシアトルのファンから大歓声を浴びた時には「こんな風にしてもらったら、もう、この先はシアトルを離れたくないなという気持ちになりますよね」と話していたが、まさにその言葉通りの“結末”となり、強い“マリナーズ愛”を貫く形となった。
ストーン記者は「イチローはよくスコット・サービス監督にマリナーズの選手でいられることがどれほど幸せかと話していた。マリナーズの選手はイチローを愛すべき伯父のように尊敬し、ジェリー・ディポトGMが表現したダライ・ラマであるかのように野球の知恵を求めた」と、同僚との強い絆についても言及。そして、ディポトGMが「みんなイチローが山の頂上から考えを述べるのを待っているようだった」と話していたことも記している。
記事では、44歳のレジェンドが若い選手に与えるものは多いということに触れ、「イチローはそれを尊重しており、それが事実上有益であることは確かだ」とも指摘。そして、「彼はまだ引退したわけではないが、尊厳を完全に保ったまま去った」と締めくくっている。
メジャー史に名を残す偉大な選手への敬意溢れる“惜別コラム”。イチローがシアトルで残してきたもの、そして、これからもたらすものの大きさを示す内容となっている。
(Full-Count編集部)