DeNAに現れた期待の俊足ルーキー神里 犬をも振り切るスピードで起爆剤に
俊足でDeNAの攻撃のカギに
俊足は“英才教育”の賜物でもある。
「父が陸上をやっていたので、小さい頃からやらされていたんです。はい、やっていたんじゃくて、やらされていました(笑)。小学校低学年の頃から、学校から帰ると姉2人と一緒に姉弟3人で、ラダーを使った瞬発力を上げるトレーニングとかやっていましたね。当時は嫌だったんですけど、今となってみれば、やっておいてよかったです」
トレーニングの成果か、小学生の時には犬に走り勝つ、というエピソードまで生んだ。「たまたま友達の家に行って、玄関を開けたらでっかい犬と目が合ったんです。これはマズい、と瞬時に走って逃げたら、逃げ切れましたね(笑)」と事もなげに語るが、その足が今季DeNAで攻撃のカギを握ることは間違いない。
開幕から1か月半が経ち、一定の手応えを感じると同時に、多くの課題も見つかった。「個人個人の意識が高い」というプロの世界。「一瞬何が起きたか分からなかった。なんだかよく分からない、言葉で表せない感情でした」というドラフト指名時の感動は胸の奥にしまい、プロ野球選手としての成長に全力を注ぐ。
「プロの投手は球の質が違う。社会人時代に捉えられていたスピードボールが、今は空振りすることもあって。思い切って筒香さんに打撃について聞いてみたりもしました。自分はボールから目を切るのが早いから、もう少しボールを長く見てみてはと、アドバイスをいただきました」
目指すは「打って走ってしっかり守って、全部が高いレベルでできるプレーヤーになって、ファンに愛されるような選手になりたいです」と言い切る。自身に敢えて高い目標を課すのは、それをクリアできるだけの自信があるからだ。
「自信がないとやっていけない。そこは目指していきたいなって思います」
そう語った目力の強さは意思の強さにも通じるだろう。踏み出したばかりのプロ生活。1歩1歩積み重ねながら、長らくハマで愛される存在に成長したい。