大谷が使い分ける“ギア”の存在 女房役が証言「全く別の野獣に変身する」
正捕手マルドナード「ギアを1段階上げるスイッチを入れる」
エンゼルス大谷翔平投手が20日(日本時間21日)、本拠地レイズ戦で今季4勝目(1敗)を挙げた。7回2/3を6安打9奪三振2失点、110球の熱投でチームの6連敗を阻止した。女房役を務めたマーティン・マルドナード捕手は、得点圏に走者を置いた時の23歳右腕について「別の野獣に変身する」と証言。窮地でギアを1段階上げられる、驚きの能力について語った。
圧巻の快投劇を見せつけた大谷。球団史上最速となるデビュー7試合目での50奪三振達成し、登板7試合でチームに6勝を導くエースぶりを発揮しているが、二刀流の天才は巧みにギアチェンジしながら投球を組み立てているという。
「走者が得点圏まで進むと、彼は全く別の野獣に変身するんだ。速球が違えば、スプリットも違う。スライダーだって変わってくる。それが自分には感心するしかなかった。走者が二塁にたどり着いた瞬間、彼はギアを1段階上げるスイッチを入れるんだ。92~94マイル(約148~151キロ)の速球なんて投げてこない。いつだって97マイル(約156キロ)以上なんだよ」
大谷は2回1死からダフィーに中越え二塁打を許した。そこから最速97.7マイル(約156キロ)の豪速球や切れ味抜群のスプリットやスライダーを駆使し、2者連続の空振り三振とした
こういった失点危機で本気モードに入る大谷を、女房役は敬意を込めて「別の野獣」と呼ぶ。3回に先制ソロ本塁打を許した後も、打者12人凡退という無双モードに突入した。
マルドナードは「ホームランの後から速球がどんどん良くなったように思う。いいピッチングだった。狙い通りのところに投げていたよ」と大谷の快投を振り返っていた。
ここまで6連勝だった好調レイズ打線相手に、ギアを使い分けて攻めた二刀流の底知れぬポテンシャルに、女房役は感銘を受けている様子だった。
(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)