「即戦力」は業界内の経験値だけにあらず スポーツビジネスに必要な人材とは
会場をあとにする参加者からは「決心がついた」との声も
登壇者の話を総括すると、スポーツ業界に属していなくとも、スポーツ業界に飛び込んでから求められるスキルは磨いておくことができる。特殊な世界ゆえに、他では経験できない業務も確かに存在するが、社会人に必要とされるベースの部分は変わらないからだ。また、希望する企業で働くことになったとしても、マルチタスクが要求される現場も少なくはない。そうした転職経験者の話に耳を傾けると、「即戦力」とは必ずしもスポーツ業界内における経験や実績だけを指すものではないと言える。どのような経験が、どこで役立つかは分からない。
また、「CROSS LEAGUE TALK」ではパ・リーグから北海道日本ハム、Jリーグの川崎フロンターレ、Bリーグは栃木ブレックスの代表者がそれぞれ壇上に上がった。いずれも、ここ数年で日本のプロリーグを制したチームではあるが、グラウンド上での結果と同時に、ユニークな施策でファンを増やしながら経営面でも成功を収めている。「特別対談」では野球解説者の里崎智也氏を迎え、「DODA」編集長の大浦征也氏とビジネストークセッションを行った。現在、多方面で活躍する里崎氏の綿密な考え方や気の持ちようなどは、長いキャッチャー人生で培われたものだが、社会人にも取り入れられそうなものは多い。畑は違うが、それぞれ独自性とチャレンジ精神の大切さを説いた。
そして、出展社側の代表者が壇上で異口同音に強調したのが「目的を明確にすること」の重要性だ。企業と世の中のニーズの間にあるフィールドに立ち、何をするべきか。その結果として、周囲にどのような影響が及ぶか。そうしたビジョンを明確に描いて、行動に移せる人材が「即戦力」として見込まれるのではないだろうか。だからこそ、冒頭のような目標を設定しておくことが大前提となる。
スポーツビジネスの世界に飛び込みたい――。そんな思いに後押しをする「パ・リーグ キャリアフォーラム」。会場をあとにする参加者からは「決心がついた」との声も聞かれた。参加者の真剣な眼差しは、日本においてもスポーツビジネスが“ドリーム・ジョブ”であることを物語っている。
(「パ・リーグ インサイト」編集部)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)