ロッテ、敏腕広報がメディア露出を増やしたわけ「知らない人たちに興味を」
千葉日報ではシーズン中、毎週火曜日に「千葉魂」を掲載
「地元・千葉県民の方々に千葉ロッテの情報を定期的にある状態を作る狙いがあった」という千葉日報の「千葉魂」はシーズン中、毎週火曜日に掲載されている(シーズンオフは隔週掲載)。梶原氏が大事にしているのは「情報の鮮度」だった。
「締め切り間近になって、すぐ頭に浮かんだことを記事にしています。『今週はこの選手を書こう』とあらかじめ決めつけないですね。最初に浮かんだイコール、一番面白かった出来事じゃないですか。『千葉魂』については鮮度が第一です。毎年開幕前に前年の記事が書籍化されていますが、うれしいですよね。ファンにとっても読むことで前のシーズンを思い出し、『今年も応援しよう』となりますから。シーズン中はチームに感情移入してもらい、より観戦を楽しんでもらうために書いています」
また、昨年は「文春オンライン」が主催する「文春野球コラムペナントレース2017」に千葉ロッテ代表として“参戦”した。各球団のコラムニストがその球団についてのコラムを執筆し、ペナントレースのように優勝を争うというこの企画。梶原氏は球団広報の立場だからこそ書ける、様々なエピソードを伝え見事、パ・リーグ制覇を飾った。
「毎年何か新しいことにチャレンジしたいと思っていたときに、声を掛けてもらいました。文春といえば影響力のある媒体。そこに自分発信で千葉ロッテの情報を出せるというのは広報戦略の面でメリットがありますよね。もちろん、怖さもありましたよ」
「千葉魂」は選手についての記事がメインだったが、「文春野球…」ではチームスタッフや球団のファンサービス・取り組みを主眼に置いた。ただ、シーズン終盤は優勝を狙うため、選手メインのコラムに方向転換。「チームが最下位だったので、『文春野球…』では優勝したいという意地ですね。一方、ポリシーを貫けなかった思いもあります」と語る。