春の近畿を制した大阪桐蔭に隙なし 貪欲に勝利を目指す訳とは?

夏の大会を見据えた強化練習中で成し遂げた近畿制覇

 加えて、今、大阪桐蔭は夏の大会に向けた強化練習中。普段よりも密度の濃い練習メニューをこなしており、体に疲れが残りキレを欠いている中、どう戦うか。夏の猛暑を想定して、体が重くてもどれだけ戦えるかを常に考えている。

 今日はこのチームで4度目の対戦となる智弁和歌山との試合。だが、選手たちはこんな“心掛け”で戦っていた。
「“また智弁和歌山か”という気持ちで絶対に戦ってはいけない。今まで勝っているからとか、余計なことも、もちろん考えてはいけないと思っています。新鮮な、初めて智弁和歌山と試合をする気持ちで今日はやろうと。5連勝と言われましたけれど、だからといってホッとするとか達成感というのは特にはないですね。今日までの試合を見ても自分たちはまだ甘い点があったし、このままでは勝ち切れない。夏の大会はそんな簡単に勝てるものではないと思っています」(中川主将)。

 昨春も同じように近畿大会の頂点に立った。厳しい大阪大会を勝ち抜いて夏の甲子園にたどり着いたものの、3回戦の仙台育英戦で“残酷な”敗戦を喫し、連覇への道が途絶えた。特に中川は、その悔しさ、そして無念さの真ん中にいたからこそ、夏は厳しい戦いになると覚悟ができるとも言える。

 2度目の春夏連覇に向け、大阪桐蔭ナインには姿勢にも表情にもまったくスキを感じない。“最強”と言われるのは、偉業を達成してから―。彼らは常に、貪欲に高みを目指している。

(沢井史 / Fumi Sawai)

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