アルモンテと菅野が全指数1位 セイバー目線で選出する5月のセ月間MVP

打線の援護と守備の負担で明暗を分けた中日と阪神

 最後に5月のチーム投手力を示す指標と援護率、グラウンドに来た打球をどれだけアウトにできたかを示すチーム守備の指標DERを見てみます。

阪神
防御率 3.16 FIP 3.52 WHIP 1.39
QS率70.8% 奪三振率8.78 援護率 3.52 DER 67.1%

DeNA
防御率 3.93 FIP 4.16 WHIP 1.55
QS率27.3% 奪三振率8.65 援護率 4.18 DER 69.1% 

中日
防御率 4.05 FIP 4.43 WHIP 1.46
QS率56.0% 奪三振率6.61 援護率 4.19 DER 77.9%

広島
防御率 4.26 FIP 3.95 WHIP 1.55
QS率61.9% 奪三振率7.84 援護率 5.41 DER 66.8%

巨人
防御率 4.35 FIP 4.51 WHIP 1.38
QS率45.8% 奪三振率8.18 援護率 4.59 DER 66.9%

ヤクルト
防御率 4.86 FIP 4.08 WHIP 1.66
QS率30.4% 奪三振率8.51 援護率 3.39 DER 62.4%

 今月のMVP候補に2人の名前が挙がった阪神ですが、チーム投手力はリーグでもトップクラスであることを示しています。しかしながら援護率の低さ、そしてDERも低く、守備でも投手に負担をかけている様子がうかがえます。

 逆に中日は打線の援護、守備の貢献で月間の勝ち越しとなったと言えそうです。

鳥越規央 プロフィール
統計学者/江戸川大学客員教授
「セイバーメトリクス」(※野球等において、選手データを統計学的見地から客観的に分析し、評価や戦略を立てる際に活用する分析方法)の日本での第一人者。野球の他にも、サッカー、ゴルフなどスポーツ統計学全般の研究を行なっている。また、テレビ番組の監修などエンターテインメント業界でも活躍。JAPAN MENSAの会員。近著に『統計学が見つけた野球の真理』(講談社ブルーバックス)『世の中は奇跡であふれている』(WAVE出版)がある。コミュニティサイト「鳥越規央のデータ野球部」を開設。
https://butaiura.fan/community/torigoenorio/

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