元Gクロマティ氏が明かす“秘話” 桑田氏のドラフト1位指名を“進言”していた!?

「オウさん、どうだい。私はこのピッチャーが好きだ」

「自分はこう言ったんだ。『オウさん、どうだい。私はこのピッチャーが好きだ。クワタのことが本当に気に入った』とね。『このクワタという選手には見所があるぞ』と。すると、王さんは『本当か! どこが気に入ったんだ?』と聞いてきたんだよ」

 チーム首脳に対して、球団史上最強の助っ人は小柄なエース右腕を猛プッシュしたという。その理由は、メジャー通算311勝の名右腕と桑田氏が重なって見えたからだ。

 「ピッチングスタイルだ。彼のスタイルはトム・シーバーを彷彿させる。クワタさんはトム・シーバースタイルだ。彼の投球の技術。アグレッシブだ。いつも、キャップを飛ばすように投げるようなスタイルだった」

 シーバー氏はメッツなどで20年間活躍した右腕。1967年の新人王を皮切りに、サイ・ヤング賞、最多勝、最優秀防御率にいずれも3度輝いたメジャー史に残る名投手だった。クロマティ氏は躍動感溢れる強気なピッチングを見せる小柄なエースの指名を、自身がメジャーで対戦したレジェンドを引き合いに出して“進言”したという。なお、クロマティ氏はシーバー氏に対して60打数19安打の打率.317と好成績を残している。

「そこから、1か月、2か月が経ち、ジャイアンツはクワタさんをドラフトで指名したんだよ。そこからはチームメートになった。彼は英語を勉強したがっていたね。私は彼の英語のセンセイだったんだ。クワタさんは毎日、移動のバスで英語の本を持っていて『これはどういう意味なの?』としょっちゅう聞いてきたんだ」

 チームの移動の際にも熱心に英語の勉強をしていた桑田氏にとって、元メジャーリーガーのスラッガーは生きる教材だったようだ。当時の“進言”が巨人のドラフト戦略にどれほどの影響を与えたのかは分からない。だが、名将・王監督に熱心に小柄な右腕の魅力を語ったクロマティ氏こそが「ジャイアンツ・桑田」の産みの親だったのかもしれない。

【MLBドリームカップ】

軟式野球日本一を決める大会で、2018年度大会で4回目を迎える。参加対象は国内で活動する軟式野球チーム。抽選を経て、都道府県53ブロックで予選を行い、ブロック代表を選出。地区代表決定トーナメント、東・西日本代表決定トーナメントを経て、11月24日に東京・明治神宮球場で決勝戦を行う。

地区予選は5月末からスタートし、現在も大会エントリーサイト、全国の全国のスーパースポーツゼビオ、ヴィクトリア、ネクサス、タケダスポーツ店頭でエントリー可能となっている。参加費用は2万5000円。

大会公式サイトは http://www.xebiodreamcup.com

(Full-Count編集部)

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