決戦で悲劇的幕切れ…外野手のグラブを弾きサヨナラ弾「人生はフェアじゃない」
カレッジ・ワールドシリーズ進出を決める一戦、1年生外野手がライナーを弾き…
米国の大学野球で、「カレッジ・ワールドシリーズ」進出を決める一戦が悲劇的な幕切れとなった。フロリダ大が延長11回の大熱戦の末にオーバーン大を3-2で撃破。オーバーン大の右翼手がライナーをグラブで弾いたことでボールがフェンスオーバーし、試合終了となった。NCAA(全米大学体育協会)がツイッターでこの場面の動画を公開すると、フォロワーからは「痛々しい終わり方」などと同情の声があがった。
2-2で迎えた延長11回。カウント1-2で、フロリダ大の先頭打者ラングワージーがライトへ痛烈なライナーを放った。オーバーン大の右翼手ウィリアムズが追い、最後は飛びついたものの、打球はグラブで大きくはねてフェンスを越えてしまう。まさかの幕切れ。生還したラングワージーをフロリダ大の選手たちが手荒く祝福する一方で、ウィリアムズはがっくりとうなだれた。
地元紙「オーランド・センチネル」はこの試合について「ゲイターズ(フロリダ大)がサヨナラホームランで勝利し、再びカレッジ・ワールドシリーズに進出」とのタイトルで報じた。値千金の一発を放った2年生のラングワージーは試合後、「この試合では最終的にすべて自分に返ってきた。それがこの試合だった」と振り返ったという。
一方で、悲劇的な敗北となったオーバーン大についても言及。外野でうなだれていたウィリアムズのもとにチームメートが集まり、肩を抱くなどして慰めていた様子を伝えている。ウィリアムズはまだ1年生で、オール・アメリカン(全米の選抜チーム)にも選ばれている有望選手だという。オーバーン大の5年生ミッチェルは取材に対して「彼は大丈夫だろう。彼の未来は本当に明るい。1つのプレーによって彼がどういう選手か決まるわけではないから」と話している。
MLB公式サイトの動画コーナー「Cut4」は、ツイッターで最後の場面の映像を紹介。「勝利のスリルと敗北の苦しみ」との文言が添えられた動画には「ちょうど手に当たっている」「この選手はもう寝ることができないだろう」などといったコメントが寄せられた。
また、同じくこのシーンを紹介したNCAAのツイッターには、ウィリアムズを気遣う声が相次いだ。
「あの選手はこの先ずっとこのことを忘れられないだろう。大きな試合でこの負け方は悲惨だ」
「ゲイターズファンだけれど、タイガース(オーバーン大)にとっては痛々しい終わり方だ」
「二塁打だ。時として人生はフェアじゃない」
「この選手をハグしてあげたい」
「あの選手にとっては最悪だ」
フロリダ大はネブラスカ州オハマで開催される「カレッジ・ワールドシリーズ」に出場する。