早実の先輩・荒木2軍監督が見る日ハム清宮幸太郎「何がすごいって…」

荒木監督が語る清宮の「成長」、2軍指揮官としての「責任感」

 荒木監督は身体の部分に関してはまだまだのびしろが大きいと語る。

「すごい実績を残してきたといっても、まだ19歳ですからね。これからまだまだ成長する。身長や体重は飛躍的に大きくなったりしなくても、厚さとか強さとか速さとか……。そういう部分ではプロ野球選手として毎日、練習、実戦を重ねることで成長する」

「リトルの時も身長は今と、さほど変わらなかった。でも強さとかでいうとまったく異なる。数年後に入団会見などの映像を見る機会も出てくると思うけど、その時は別人みたいに見えるはず。それは僕自身もそうだった。そういう部分もプロのすごさだと思うからね」

 荒木監督自身、指揮官として1年目。選手と一緒に成長していく気持ちは強い。

「指導者として西武、ヤクルトと日本ハムの3球団しか知らない。そんな若造を呼んででくれて、しかもこんな素晴らしい選手が来てくれた。責任感も感じるけど、楽しみだし、うれしい。彼だけでなく、多くの若手選手の成長を見て行きたい」

 雨がぱらつく試合前練習、室内練習場で黙々とティー打撃をこなしていた。その後、サーキットトレーニングなどで時間ギリギリまで追い込む。荷物をたくさん抱えて少し疲れ気味に見えたが、試合が始まると表情も一変、いきなり本塁打を放った。

 取材対応などを見ても、世間で言われる「しっかりした好青年」であることが伝わってくる。だが本塁打後のチームメートとの喜びようなどからは、同時にあどけなさも感じた。

 ダルビッシュ有、中田翔、大谷翔平……。そうそうたるメンツと同じ日本ハムのドラフト1位の系譜に名を連ねる。しかも注目度は同じかそれ以上に高い。若干19歳が背負うには大きすぎる。でも清宮ならやってくれるのではないか。そう思わせるものが備わっているように感じた。

「少年よ大志を抱け」

 かつての偉人が語ったように、北の大地には若者の挑戦がよく似合う。

(山岡則夫 / Norio Yamaoka)

山岡則夫 プロフィール
 1972年島根県出身。千葉大学卒業後、アパレル会社勤務などを経て01年にInnings,Co.を設立、雑誌Ballpark Time!を発刊。現在はBallparkレーベルとして様々な書籍、雑誌を企画、製作するほか、多くの雑誌やホームページに寄稿している。最新刊は「岩隈久志のピッチングバイブル」、「躍進する広島カープを支える選手たち」(株式会社舵社)。Ballpark Time!オフィシャルページ(http://www.ballparktime.com)にて取材日記を定期的に更新中。

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