1軍初昇格の楽天西巻 2軍で急成長の要因は?「チマチマやるのではなく…」

仙台育英高校時代に自信喪失、進路をNPB以外にしたことも…

「そこから、気持ち的にも楽になりました。ヒットが出ないと落ち着かない部分が正直、あったので」
 つっかえが取れると、安打を記録していった。4月11日のロッテ戦(ロッテ浦和)では初アーチをかけた。その翌日には二塁打と三塁打を打つなど、長打も目立つようになってきた。その要因を「打席の中でしっかりとバットを振れているなって感じがします」

「チマチマやるのではなく、しっかり振っている感じはありますね。高校で1番バッターだった時はしっかり振るというよりは、とりあえず、出塁しようという意識が強くて。なんというか……うーん、チマチマやっていたような気がするんですよね、正直」

 仙台育英高校時代、1年夏の甲子園決勝に代打で登場すると、平然と東海大相模・小笠原慎之介投手(現中日)から左前へ安打を放った。1年秋からは、2学年上の平沢大河内野手(現ロッテ)からポジションを引き継ぎ、ショートの不動のレギュラーになった。野球センスに溢れ、小柄な体格を気にさせない野球勘があり、優れた判断力と巧さもある。攻守でチームを救ってきた。

 だが、順風満帆だったわけではない。2年春、スランプを経験した。「僕が打席に入ったらアウトカウントが増えるだけ。守備で打球が飛んできたら1個も捕らないみたいな」。3年春も打撃は好調だったとは言えない。非常に三ゴロが多く、90度あるはずのフェアゾーンを自ら狭めていた。昨年の春の大会期間中、試合後に「進路、決めました」と言ってきたことがある。それはNPBではなかった。プロ志望だったが、それくらい、自信をなくし、悩んでいたのだ。

 14日の日本ハム戦(森林どり泉)。2四球の後の3打席目で、西巻は初球を空振りした。「僕、あんなしっかりした空振り、高校の時にしたことないですもん。打席の中で、なんて言うんですかね、自分のスイングをするというか。当てにいかないようには心がけています。高校の時は空振りを恐れていたのか。当てにいってしまってサードゴロ。ひどいと1試合で3つとかありましたもんね。今は外の変化球にしっかり自分のスイングをしてフライアウトとか、右方向へのいい当たりとかが出てきているんですよ。サードゴロはそんなに打っていないような気がします」。この、しっかりと自分のスイングをすることの原点はキャンプだという。

高校時代とはタイミングの取り方、間の時間も変化「皆さんしっかりとバットを振っている」

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