オリックス新守護神・増井が挑む2つの記録 史上4人目の快挙&自身初の栄冠
所属した2チームでともに“先輩”の後を追う
増井は、昨季までに129ホールド、110セーブを積み上げてきた。日本球界で通算100ホールドと150セーブの両方を記録したのは、阪神の藤川投手、元北海道日本ハムの武田久氏、現ダイヤモンドバックスの平野のわずか3人のみである。
実力はもちろん、場面を問わず腕を振るう器用さ、タフネスさ、チームへの献身的な姿勢がなければ成し得ないこの記録。増井が今季中に上記の3人に並ぶためには、40セーブ到達が条件となるが、2015年に39セーブを挙げた右腕にとっては決して不可能な数字ではないだろう。史上4人目の「100ホールド・150セーブ」達成はおそらく間近だ。
日本ハムの「小さな守護神」として君臨した武田氏と、昨季までオリックスの抑えを務めていた平野。増井は奇しくも、チームの枠を超えてこの2人の後を継いだ形となるわけだが、2投手が持っていて増井投手がまだ手にしていないものが、150セーブのほかにもうひとつある。最多セーブのタイトルだ。
増井の獲得タイトルは、これまで最優秀中継ぎ投手賞のみ。しかし、今季はここまで2位と2つの差をつけてセーブ数はリーグトップに立っており、このまま自身初の栄冠に輝く可能性は十分にある。新天地に久々のAクラスを、そして自身には2つの大記録を。増井はこれからも僅差の試合でマウンドに上がり、その腕で勝利の瞬間を手繰り寄せていく。