驚異の打撃センスを誇る17歳の女子高生 侍J女子代表を狙う叔母と姪の夢

マドンナスターズとして強化試合に出場した金桃花【写真:石川加奈子】
マドンナスターズとして強化試合に出場した金桃花【写真:石川加奈子】

ワールドカップMVP投手からも鮮やかな中前打

 全日本女子野球連盟U18強化プログラムチーム(マドンナスターズ)の金桃花内野手(札幌新陽高2年)が1日、将来のフル代表入りを猛アピールした。侍ジャパン女子代表との強化試合(HARD OFF ECOスタジアム新潟)に「1番・三塁」で出場し、3試合連続のマルチ安打を記録。前日のダブルヘッダーと合わせて10打数6安打1打点、うち三塁打と二塁打1本ずつという大暴れだった。

 女子野球に興味がある人なら、金という名字に聞き覚えがあるかもしれない。2002年から前回のワールドカップが行われた2016年まで代表で活躍した金由起子さん(40=ホーネッツ・レディース選手兼監督)は、金の叔母にあたる。スコアボードに表示された「金」の文字やアナウンスに反応した選手や関係者は、そのプレーに注目。「走り方が似ている」「後ろ姿がそっくり」と声が挙がった。

 小1から野球を始めた金自身、「ユッキ」と呼ぶ叔母を目標に練習に励んできた。「いつか一緒に代表に入りたい」と昨年12月に行われたトライアウトを同時に受けたが、2人とも落選。それでも、17歳の金にはU18に選ばれるチャンスが巡ってきた。6月上旬の豪州遠征で5試合に出場し、得意の打撃をアピール。今回の侍ジャパン女子代表戦でもパワフルな打撃で存在感を示した。

 特に、前日の第2試合第1打席、ワールドカップで過去2回MVPを獲得している里綾実投手(愛知ディオーネ)の初球を中前にライナーで弾き返した場面は、インパクト十分だった。「自分でもびっくりしました。自信になります」とあどけない笑顔を見せた金。「追い込まれてからの変化球は苦手なので、初球のストレートを狙っていました」と言う。若いだけに、少しのきっかけで大きく成長するのだろう。苦手と言いながら、この日は変化球にもしぶとく食らいついて安打にした。

 代表投手6人から6本の安打を放ち、非凡な打撃センスを見せつけた。だが、打撃だけでは代表入りが難しいことは自覚している。「バッティングは得意ですが、守備はまだまだ。代表に入れるように、もっともっと頑張っていきたいです」と話す明るい表情に、この2日間の充実ぶりがにじんでいた。

叔母・由起子と同時代表入りの夢へ奮戦中

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