日本ハムの躍進を支える鶴岡 “優勝請負人”のベテランが見せる存在価値

ここまで51試合に出場し打率.294、2本塁打と打撃でも活躍

 古巣復帰1年目となる今季は15歳年下の清水優心と正捕手の座を争いながら、新外国人のマルティネス投手とのバッテリーを中心に出場機会を確保。来日1年目ながら早くも7勝を記録している右腕の好投を引き出すのみならず、リーグ2位の盗塁阻止率.370を記録し、持ち前の肩と高い送球技術もまだまだ健在であることも示している。

 鶴岡が存在感を発揮する場面は守備面だけにとどまらない。前年は1軍定着後では自身最小となる29試合の出場にとどまっていたものの、打率.321、3本塁打、OPSに至っては驚異の1.030と打撃面で覚醒を見せ、日本シリーズでも代打で濱口遥大投手のノーヒットノーランを阻止する安打を放つなど存在感を発揮していた。その流れは今季も続いており、51試合の出場で打率.294、2本塁打を放つなど随所で快打を披露。攻守両面で円熟味を増した活躍を見せている。

 在籍した2チームで計7度のリーグ優勝を経験した勝者のメンタリティを持つベテランの加入は、チーム全体に対しても好影響を及ぼしている。多数の主力が抜けて苦戦が予想されたチームは首位と2ゲーム差の2位と優勝争いを繰り広げており、今シーズン最大のサプライズと形容できるほどの大躍進を見せている。

 リーグ優勝に向けた戦いが続く中で、今後はチーム全体により強いプレッシャーがかかってくる可能性もある。そうなれば、若手の多いチームに豊富な経験を還元できるベテランの存在は非常に大きなものとなってくることだろう。自身8度目となるリーグ優勝を勝ち取るため、37歳を迎えた熟練の名捕手は、これからも明るく、そして頼もしく、チームを盛り立てていってくれるはずだ。

【動画】帰ってきた「北のガチャピン」 古巣復帰で躍動する日本ハム・鶴岡慎也

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