高校通算49発、智弁和歌山の強打者が挑む最後の夏 話題の“捕手姿”の真相は…
大阪桐蔭へのリベンジへ、まずは和歌山大会制覇を「一戦一戦ですね」
何より選抜決勝、春の近畿大会決勝と2試合、大阪桐蔭の根尾昂と相対した経験は大きな糧になったと思っている。
「根尾君はギアの上げ方がうまくて、塁上から見てもその場面によってボールのキレが全然違うんです。選抜の時の根尾君の球の方が明らかにキレはありましたけれど、ピンチになるほど力を入れて投げられるのはさすがだと思います」
選抜では無安打だったが、近畿大会では2安打を放った。とはいえ、ここまで大阪桐蔭相手に5連敗。リベンジをするのはこの夏しかない。
「自分たちのペースに持っていこうとしてもなかなか持っていけない。向こうはスキをまったく見せないんです。本当はそこ(スキ)を突いていきたいと思ってもできないんですよね。それが悔しいです。でも、この夏こそはという思いはあります」
その前に、まずは和歌山を勝ち抜かなくてはならない。林は「まずは一戦一戦ですね。打ちたい打ちたいと思いすぎず、ボールをしっかり見ていきたいです」と言う。
あと、気になることがひとつ。7月1日の練習試合で林が捕手のマスクをかぶっている姿がインターネットに掲載され、話題を呼んだ。高嶋監督いわく、手薄な捕手というポジションの緊急事態に備えて、捕手経験のある林にマスクを被らせたとのことだが、本人は「緊急の時以外、被ることはないですよ」と苦笑い。だが、どんな姿であっても、ゲームセット時は笑顔でいたいと強く思う。
「(何度も敬遠された)松井秀喜のように耐えても、しっかり打てるバッターになってもらいたいけれどね。あ、でも選抜でホームラン3本以上打てって言うて本人は縮こまってしもうたから、あんまり言わんときますわ」
高嶋監督は豪快に笑う。燃えたぎる闘志を胸に秘めた背番号5は、最後の夏も持ち前のフルスイングで見る者を虜にする一打を放つつもりだ。