伝統球団の「新4番打者」に明暗 チームの勝敗を左右するセ・リーグ4番成績
阪神は新外国人のロサリオを4番に起用も成績が上がらず…
セ・リーグでは今年、伝統球団で、新たな4番が誕生した。しかし、その成績は明暗を分けている。
セ・リーグ 7月18日時点での4番打者の打撃成績(途中出場除く)
広島 79試278打79安16本66点 打率.284
阪神 77試288打69安7本43点 打率.240
DeNA 81試305打105安29本61点 打率.344
巨人 85試312打81安13本38点 打率.260
中日 84試321打100安14本58点 打率.312
ヤクルト 80試290打77安18本65点 打率.266
DeNAの4番が非常に好調。打率は.344、ただし打点は広島、ヤクルトに次ぐ3位。これは4番の前を打つ上位打線の出来にかかわっている。阪神は4番が固定できず苦しんでいる。
各球団の4番打者を見ていこう。(先発のみ)
○広島
鈴木誠也 55試194打58安12本43点 打率.299
松山竜平 12試45打14安1本12点 打率.311
エルドレッド 6試18打3安2本7点 打率.167
バティスタ 5試17打3安1本4点 打率.176
メヒア 1試4打1安0本0点 打率.250
本来は不動の4番打者である鈴木が、故障がちのため4人の打者が交代に4番を務めている。松山は昨年同様、代役を十分に果たしている。
○阪神
ロサリオ 38試148打34安4本21点 打率.230
糸井嘉男 26試92打27安2本18点 打率.293
陽川尚将 7試28打5安0本3点 打率.179
福留孝介 5試16打3安1本1点 打率.188
原口文仁 1試4打0安0本0点 打率.000
新外国人のロサリオを4番で起用したが、成績が上がらず2軍落ちするチームの成績も下降気味に。糸井は4番でも結果を残していたがケガで登録を抹消された。打撃好調の陽川も4番に抜擢されたが、今のところ成績は上がっていない。
○DeNA
筒香嘉智 43試155打53安15本29点 打率.342
ロペス 33試133打44安11本28点 打率.331
宮崎敏郎 5試17打8安3本4点 打率.471
ロペスが故障がちだが、筒香、宮崎ともに4番に座ると快打を連発している。他球団と異なり、DeNAは4番の人材に事欠かない。
○巨人
岡本和真 35試133打36安7本16点 打率.271
マギー 30試107打29安4本17点 打率.271
ゲレーロ 13試46打12安0本1点 打率.261
阿部慎之助 7試26打4安2本4点 打率.154
巨人89代目の4番打者、岡本は一時期安打が出ず低迷したが、高橋監督は辛抱強く使い続け、復調している。ただ、打点が少ないのが気にかかるところだ。
○中日
ビシエド 76試291打89安13本53点 打率.306
モヤ 7試28打11安1本5点 打率.393
アルモンテ 1試2打0安0本0点 打率.000
中日は外国人3人で4番を回している。ビシエドは、一時期帰国したが、その間をモヤが埋めるた。ビシエドは再来日してからも出場すれば結果を出している。
○ヤクルト
バレンティン 62試221打59安18本56点 打率.267
青木宣親 17試65打17安0本9点 打率.262
雄平 1試4打1安0本0点 打率.250
ヤクルトは開幕からMLBから復帰した青木を4番で起用したが、バレンティンが調子が上がると4番を交代した。本来の勝負強い打撃を発揮している。
4番打者の出来不出来がチーム事情と大きく関連があるのは、セ・リーグも同様だ。後半戦、活躍するのはどの球団の4番打者だろうか?
(広尾晃 / Koh Hiroo)