準決勝でサイクル安打、決勝では完投勝利 木更津総合が“二刀流”活躍で優勝

優勝盾を受け取る木更津総合・野尻幸輝【写真:細野能功】
優勝盾を受け取る木更津総合・野尻幸輝【写真:細野能功】

3年の野尻がマウンド&打席で大活躍

 第100回全国高校野球選手権大会東千葉大会決勝は25日、ZOZOマリンで行われ、木更津総合が10-2で成田に勝利。成田の8年ぶりの甲子園を阻んだ。準決勝の東海大市原望洋戦で平成以降13人目のサイクル安打を達成した木更津総合の3年・野尻幸輝投手が143球で2失点完投し、3年連続7度目の甲子園切符をもたらした。

 元々は捕手。中学から投手の練習も始めていたが、木更津総合では1年から野手として起用されていた。「入学した時には、まさか(この県大会決勝で)投手をするなんて想像もできなかった」という二刀流は、サードを意味する背番号5をつける野手のセンスで勝利をたぐりよせた。

 初回、成田の山下陸空内野手に左前適時打で先制されたが、同じく初回と4回には投前バントを見事なダッシュで捕球し、二塁で刺した。先行はされたが「自分たちの力を信じていた。絶対取り返せると思った」という言葉通り、2回に太田翔梧の2ランですぐに逆転。これも先頭・野尻の中前打が起点だった。

 3回には東智弥のソロで3-1とリードを広げ、4回は3連打で2点追加。5回は野尻のこの日2安打目となる右前適時打など4点と圧倒した。

 11安打はされたが、初回を除けば失点は8回の1点のみ。9回も2死から3連続内野安打を許したが、成田の5番・稲垣純平を中飛に打ち取った。

「(成田の3番)田宮が一番いいバッターなので集中力が増した。要所要所でギアを上げ、流れを変えさせなかった」と野尻は言う。準々決勝の安房高校戦で逆転2ランなど、決勝まで12打点の活躍だった成田の3番・田宮に最速140キロの速球とスライダーで、5回まで本来の打撃をさせなかった。

「毎日100球投げても何でもない。身体の強さがある」と、五島監督も舌を巻くパワーで、まずは甲子園1回戦突破を狙う。

(細野能功 / Yoshinori Hosono)

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