電撃放出のマルドナード、大谷と惜別ハグ 思い出は「二刀流を目にしたこと」
女房役としてキャンプ中から信頼関係築く、「寂しいか?」の問いに「もちろんだよ」
エンゼルスは26日(日本時間27日)、正捕手のマーティン・マルドナードをアストロズにトレードで放出したことを発表した。今季加入した大谷翔平投手の女房役として、キャンプ中から信頼関係を築いてきたマルドナード。右肘靭帯損傷まで、二刀流でメジャーを席巻した大谷との別れについて“未練”を明かしている。
マルドナードのトレードが発表されたのは、この日の本拠地ホワイトソックス戦の試合前。エンゼルスは、アストロズからマイナーの若手左腕パトリック・サンドバル投手、25万ドル(約2780万円)のインターナショナル・ボーナスプール(海外若手選手との契約枠)を手にした。メジャーでは、プレーオフ進出が厳しくなったチームが、優勝を狙うチームに契約終了間近の主力を放出し、再建のために若手有望株を獲得するトレードが7月終了間際に活発化する。“毎年恒例“の出来事であるが、それでも衝撃なトレードだった。
試合前のエンゼルスのクラブハウスが異様な雰囲気に包まれる中、マルドナードは自身のロッカーの片付けなどを済ませた。そして、大谷ともハグ。別れを惜しんだ後に、メディアの取材に応じた。
大谷について寂しく思うかを聞かれると、マルドナードは「もちろんだよ」とポツリ。そして、思い出については「彼が二刀流をする姿を目にしたことかな」と話し、「恐らくこの先10年以上はお目にかかれないことだね。打撃でも投球でも(メジャーリーグで)競えることができる。それは素晴らしいことだよ」とあらためて絶賛した。
アストロズは同地区のライバルで、対戦は多く残されている。今季終盤に大谷が投手としても復帰していれば、バッターボックスで対峙する可能性もあるが、「多分、バントすることになるよ」と話して報道陣を笑わせた。
マルドナードがいなくなったエンゼルスはこの日、ホワイトソックスに12-8で勝利して2連勝。マルドナードの移籍に伴いメジャーデビューを飾った28歳の捕手アルシアは、初ヒットが3ランとなるなど上々のスタートを切った。今オフにFAとなるマルドナードが来季エンゼルスに復帰する可能性はゼロではないが、大谷とのバッテリーが再び見られることはあるのだろうか。
(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)