鷹救援陣の救世主となるか 阪神からトレード移籍の松田遼に求められるもの
飯田とのトレードで九州へ「里帰り」、ブルペンに厚みをもたらす存在になるか
7月26日、阪神の松田遼馬投手とソフトバンクの飯田優也投手の交換トレードが、両球団から発表された。長崎県出身の松田遼にとっては、高校時代以来となる九州への「里帰り」となる。快速球を武器に若くして1軍でも登板を重ねていた24歳の右腕は、環境の変化をきっかけとしてこれから大きな飛躍を果たすことができるだろうか。
波佐見高校から2011年のドラフト5位で阪神に入団した松田遼は、最速150キロを超える速球を武器にリリーフとして将来を期待される存在だった。その期待に応えて高卒2年目の2013年には早くも台頭し、1軍で27試合に登板して防御率4.25という数字を残している。
これまでのキャリアハイと呼べるのは2016年のシーズンで、故障の影響で22試合の登板にとどまったものの、1勝1ホールド、防御率1.00と抜群の安定感を発揮した。翌2017年にはさらなる活躍も期待されたが、26試合に登板して防御率5.05と精彩を欠いてしまい、今季はここまで1軍での登板機会を得ることはできていなかった。
今季のソフトバンクは故障者続出でリリーフ陣の層が薄くなっていることに加え、開幕から中継ぎの軸のひとりとして奮闘してきた加治屋がここにきて疲労もあってか失点を喫するケースが増加。また、貴重な左腕のモイネロも不振で登録抹消となるなど、ブルペンのテコ入れは急務となっていた。
2010年には松田と同じく阪神で中継ぎとして活躍したのちにオリックスからトレードでソフトバンクに移籍してきた金澤健人氏が、貴重なリリーフとして復活を果たしてホークスのリーグ制覇に貢献したというケースもある。まだ24歳という若さながら1軍で通算111試合に登板してきた経験を持つ松田遼が、先達のように大事なシーズン終盤に向けてブルペンに厚みをもたらす存在となる可能性もあるはずだ。
広島とのトレードでチームに迎え入れた美間に続いて、7月下旬に入ってから若手選手を立て続けにトレードで獲得しているソフトバンク。元々、若手育成にも定評のあるチームなだけに、今季のみならず将来への備えとしての側面も持っている今回の動きが、短期的、そして将来的にもどのような結果をもたらすのかに注目していきたい。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)