元プロが指導する野球塾、子供たちへの思い 「甲子園、プロが全てじゃない」

原拓也氏は週5日、幼稚園児から中学3年生まで男女問わず指導している【写真:荒川祐史】
原拓也氏は週5日、幼稚園児から中学3年生まで男女問わず指導している【写真:荒川祐史】

「厳しくて辛い練習を乗り越えた自信は、ここ一番の場面で絶対に生かされる」

「僕の中で全てとは言いませんが、根性論的なことはやっぱり必要だと思う。厳しくて辛い練習を乗り越えた自信は、ここ一番の場面で絶対に生かされる。自分の野球人生を振り返ってもそう思えますから。理に適ったトレーニングに、精神的な強さも必要です」

 野球塾には子供たちの両親が付き添い、約1時間(最長3時間)の指導を見守っていることもある。だが、原さんは親の顔色をうかがいながら指導することは絶対にない。幼稚園、小学生、中学生を相手に言葉を選びながら、野球に真剣に向き合ってもらえるよう心がけている。

「ダラダラしていたりやる気がない子がいれば普通に怒ります。『もう帰っていいよ』って。安くはないお金を払ってここに来てもらっているのに、中途半端になっては申し訳ないですから。子供はそこまで考えてないですからね(笑)。誰のためにやっているか、両親に感謝することも忘れないでほしい。教え子たちが将来プロ野球選手になってくれれば一番ですが。でも、甲子園、プロが全てじゃない。野球を通じてこれからの人生の基盤を作ってもらえたら嬉しいですね」

 引退してから2年が過ぎ、第2の人生をスタートさせた原さん。プロ10年間の自らの経験を踏まえ、子供たちに指導を続けている。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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