岩村明憲氏がレイズで始球式 本拠地ファンから歓声に「本当にうれしかった」
5日ほワイトソックス戦で08年優勝メンバー集結、ボブルヘッド人形も配布
BCリーグ福島の岩村明憲監督が4日(日本時間5日)、フロリダ州セントピーターズバーグでのレイズ対ホワイトソックス戦の前に始球式を行った。2008年にリーグ優勝した際に二遊間コンビを組んだジェイソン・バートレットを相手にストライク投球をした岩村氏は、「この日、一番の歓声を受けて本当にうれしかった」と声を弾ませた。
レイズが2008年に球団史上初のリーグ優勝、そしてワールドシリーズ出場を果たしてから、はや10年。栄光からの10周年を記念し、3日(同4日)からのホワイトソックス3連戦では当時のメンバーが、本拠地トロピカーナフィールドに集結し、さまざまなイベントに参加している。2007年から3シーズンをレイズでプレーし、2008年には正二塁手としてリーグ優勝に大きく貢献した岩村氏も参加。二遊間を組んだバートレット、中堅メルビン・アップトンJr.、左腕スコット・カズミア、救援グラント・バルフォア、そしてホワイトソックスで現役を続けているジェームス・シールズらと旧交を温めた。
頂点を目指して戦ったメンバーが一堂に会すれば、10年という月日など関係ない。思い出の場所に集まった懐かしい面々。「みんなで『もう10年か』なんて言い合いましたよ(笑)。昨日のことのように覚えているからね。やっぱり特別な仲間ですよね」と話す。
1998年の球団誕生以来、優勝とは縁遠かったレイズだが、2008年に前年までのデビルレイズからレイズに名称を変え、ユニホームも一新。2007年にア・リーグ東地区最下位だったチームは、大旋風とともにリーグ頂点に立った。岩村氏は当時を振り返り、「レイズという歴史の浅いチームに、これから盛り上がっていこうというタイミングにいられたことが何よりも幸せ」と話した。
三塁から二塁にコンバートされ、慣れないポジションながらレギュラーとして活躍。打席でも、不動の1番打者として、打率.274、6本塁打、48打点の成績で打線に火を付けた。この功績が認められ、4日(同5日)ホワイトソックス戦では岩村氏のボブルヘッド人形が無料配布され、始球式を任される栄誉も受けた。
「引退して、こうやってボブルヘッドを作ってもらって、始球式も投げさせてもらって。今のレイズの状況を反映してか、お客さんはあまり大きくなかったけど、その中でもこの日、一番の歓声を受けて本当にうれしかったですね」
15年後、20年後、また優勝メンバーで集まる機会があれば、是非駆けつけたいという岩村氏。野球人として深みを増したタンパの地で充填したエネルギーを福島に持ち帰り、BCリーグ後期優勝を狙う。