打者は井上、投手はディクソン セイバー目線で選出する7月パ月間MVP

追い込まれても一発が打てる井上、チーム月間9発のうち7発を放つ

◯7月月間MVP パ・リーグ打者部門
 井上晴哉(千葉ロッテマリーンズ)

OPS1.286 wOBA0.527 RC2714.75 出塁率.500 打率.400
(すべてリーグ1位)
長打率.786(リーグ2位)

 候補選手は9名ですが、その中でも有力な候補の成績はこちらです。

井上晴哉
打率.400 28安打 7本塁打 23打点 得点圏打率.476 14四球

柳田悠岐(ソフトバンク)
打率.392 20安打 6本塁打 13打点 得点圏打率.417 3四球

アマダー(楽天)
打率.304 21安打 11本塁打 17打点 得点圏打率.250 3四球

浅村栄斗(西武)
打率.378 28安打 7本塁打 19打点 得点圏打率.389 6四球

 打率、打点、得点圏打率、四球がリーグ1位と7月に入り覚醒した井上晴哉ですが、月間本塁打は7本。千葉ロッテの月間本塁打が9なので、実にチームの77.7%を量産したことになります。また、チーム月間塁打242のうちの22.7%にあたる55をひとりで稼いでいます。

 ソフトバンクの柳田悠岐もそれに相当する打率、本塁打、得点圏打率を記録していますが、打点は井上の約半分の13。7月26日から欠場したため柳田の打席数が56と井上の90に比べて少ないこともあるのですが、

井上晴哉 打席数90
ランナーあり47(52.2%)得点圏打席数32(35.6%)

柳田悠岐 打席数56
ランナーあり21 (37.5%)得点圏打席数14(25.0%)

 と柳田の前にチャンスが作れていないホークスの現状があるのです。

 では、セイバーメトリクスの指標を見てみましょう。

井上
OPS 1.286 出塁率.500 長打率.786
wOBA .527 RC27 14.75

柳田
OPS 1.193 出塁率.429 長打率.765
wOBA .497 RC27 10.56

アマダー
OPS 1.154 出塁率.342 長打率.812
wOBA .483 RC27 9.20

浅村栄斗
OPS 1.148 出塁率.432 長打率.716
wOBA .486 RC27 11.44

 井上の指標は長打率を除いて、全ての指標で1位となっています。特筆すべきデータとして、2ストライク後のホームランの多さがあります。月間7本のうち5本は2ストライク後の本塁打、後の2本は1ボールからの2球目を打っています。

 シーズン18本のホームランのうち、61%にあたる11本が2ストライク後の本塁打で、これは12球団トップの記録です。追い込まれてからもしっかりボールを打ち上げることを意識したことで結果を残しており、メンタル面の成長もこの数値に現れているのではないでしょうか。

セイバーの指標ではディクソンの評価が1位、有原は4被弾が響く

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