金足農の剛腕・吉田が3失点13Kの力投、強豪対決制した横浜と3回戦で激突
常葉大菊川・漢人は88球で完封、花咲徳栄は2連覇ならず
第100回全国高等学校野球選手権記念大会は14日、2回戦3試合を行った。第2試合では金足農(秋田)の好投手・吉田が、2回戦でも大垣日大(岐阜)相手にMAX149キロ、13Kを奪う力投で6-3と快勝し、3回戦へ。昨夏の王者・花咲徳栄(北埼玉)は横浜(南神奈川)を相手に大量リードを許しながら、2本塁打などで懸命に追いすがったものの、6-8で敗れて夏連覇はならず、聖地を去った。第1試合では、常葉大菊川(静岡)のエース・漢人がわずか88球、7安打完封の快投を演じて日南学園(宮崎)を3-0と破った。
◯常葉大菊川(静岡)3-0日南学園(宮崎)
初回に2安打を浴びた漢人に対し、日南学園のエース・辰己は3者凡退と上々の立ち上がりだった。しかし、空振りしても看板の「フルスイング」で思い切って振ってくる常葉大菊川打線の重圧に耐えかね、慎重になるあまり球数を要して結局8回119球、被安打11。8奪三振、四死球1と持ち味は見せたはずなのに、結果的に3点を失っていた。いつの間にか相手を自分たちのペースに引きずり込む常葉大菊川の自在な戦いぶりは、点差以上の強さを感じさせる内容だった。
◯金足農(秋田)6-3大垣日大(岐阜)
金足農の吉田は、13Kのうち6回以降の12アウト中8つを三振で取るという、試合後半に強いピッチング。序盤にバラついていた直球が、特に右打者の外角低めの素晴らしいコースにコントロールされていた。ある程度球数を投げて調子を上げるタイプだと判断してもよさそうだ。吉田のピッチングもさることながら、勝負どころでは犠打もからめて着実に得点を重ね、常にリードを奪って試合を運ぶ打線の抜け目なさも光る。ここから先、リードされた展開になった時に、吉田がどんなボールを投げるのか。3回戦で顔を合わせる横浜は甲子園で戦い慣れている強豪校だけに、真価を問われる一戦となる。
◯横浜(南神奈川)8-6花咲徳栄(北埼玉)
走者をためて連打でたたみかける迫力満点の攻撃を見せた横浜。つなぐ攻撃で大量点を挙げたのが効いた。花咲徳栄はよく反撃したものの、打線のつながりが横浜に比べいまひとつ。9回、1死満塁の反撃機で適時打があと1本出ていれば、逆転まであっただけに惜しまれる。万波の無安打は続いているが、まったくタイミングが合っていなかった1回戦に比べ、1本出れば爆発しそうな雰囲気も出てきた。次戦の相手、金足農・吉田は相手にとって不足なし。大会屈指の好投手との対決は、今大会屈指の名勝負になりそうだ。
(Full-Count編集部)