「追加点、取るばい!」―西武森に憧れる侍U-12代表主将が3安打7打点の大暴れ

仁志監督も信頼「キャプテンらしい子はそういう雰囲気を持ってプレーしている」

 栗山はU-12代表の正捕手であり、キャプテンでもある。自チームでは先輩に混じって5年生からレギュラー捕手を務め、経験を積んできた。仁志監督は「少年野球で上手な子はピッチャーやキャッチャーを行ったり来たりするのですが、大成はキャッチャーが主なポジション。キャッチャーとしてプレーしている自負がある」と選出した。また、セレクションで選手選考に目を光らせながら、キャプテンも探っており、「動き、プレーぶりを見ていると、キャプテンらしい子はそういう雰囲気を持ってプレーしている。この中では大成がふさわしいかなと思いました」と、チームリーダーに指名した。

 U-12代表のスタメンマスクは練習の賜物だ。1995年の春夏と日南学園の投手として甲子園に出場した父・憲士さんが練習相手。「ティーバッティングをしたり、公園の階段を走ったり、公園でノックをしてもらったり、素振りを見てもらったりしています」と栗山。2学年上の先輩から譲り受けたマイキャッチャー防具を身につけ、自宅の庭でワンバウンドしたボールをストップする練習もしているという。キャッチャー防具があることで「幅広くキャッチャーの練習ができるようになりましたね」と憲士さんは話す。

 キャッチングは投手経験のある憲士さんの球を受けて磨いてきた。速球を「捕れん、捕れん」と言いながら。投手目線でどんな捕手がいい捕手なのかも教わってきた。そんな練習を積み重ね、今は「みんなよりボールも触る数が多いし、いろいろと指示を出せるところが楽しいです」と捕手の面白さを感じている。

 大会連覇に向け、心強いエールも受けている。2年前の前回大会でキャプテンを務めた星子天真とは、地元・熊本で通っている体幹トレーニングのジムが一緒。奇しくも同じくキャプテンを務めることになり、大会前には「頑張ってこいよ」と声をかけられた。負けるわけにはいかない。「ホームランは嬉しいんですけど、ちょっと、フライが上がりすぎた」と、満足もしていない。

「決勝でまたチャイニーズ・タイペイと当たって勝ち、絶対に優勝、2連覇をしたいです」

 金メダルに向かって、U-12代表の先頭を走る。

(高橋昌江 / Masae Takahashi)

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