ロッテ井上の急成長を支える“引きつける打撃” ロッテ打線にも同じ傾向?

低めに手を出さないロッテ打線

 それでは具体的に井上のどういったボールの見極めに変化があるのかを見るため、投球コースを高め(高めボール・ストライク)、真ん中、低め(低めストライク・ボール)の3つに分け、それぞれのスイング率を見る。

高低別スイング率の変化【画像提供:DELTA】
高低別スイング率の変化【画像提供:DELTA】

 井上の今季の値を見ると、どの高さの投球に対しても大幅にスイング率を下げている。コースにかかわらずスイングをすること自体が減っているようだ。高めは昨季から15.9%、低めは13.8%スイングする確率を下げている。

 またこの傾向はロッテ打線全体に共通するものだ。チーム全体の高めスイング率は2017年から4.0%、低めは6.6%低下。ロッテとNPB平均とを比較すると高め、真ん中に対するスイング率は同じような値であるにもかかわらず、低めに対するスイングは5.0%も少ない。チーム全体で低めのスイングを控えているようだ。

 ロッテの打撃コーチには今季から金森栄治コーチが就任している。金森コーチといえばボールを引きつけ捕手寄りでボールを捉えようとする打撃指導を行うことでも有名である。金森コーチは昨秋のキャンプから、チームに低めの球を捨てて肘の高さを打つ意識を植え付けたという報道もあった。これらのデータはこういった報道とも符合する。

引っぱり方向に飛びやすい低めもセンターや逆方向に

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