田中将大の宝刀スプリットに地元実況が大興奮「気合の入ったタナカです!」
1点リードの7回無死二、三塁の大ピンチでギアチェンジ
1日(日本時間2日)の本拠地タイガース戦で5年連続2桁勝利を飾ったヤンキースの田中将大投手。7回7安打6奪三振1失点と好投し、6試合ぶりの白星で今季10勝目(5敗)を手に入れた。デビュー1年目から5年連続2桁勝利は日本人初、ヤンキースでもアンディ・ペティート氏以来2人目の偉業達成となった。
この日は速球が冴えた右腕だが、窮地を救ったのは宝刀スプリットだった。1点リードで迎えた7回表。先頭からの2連打と盗塁で無死二、三塁の大ピンチ。ここでまずはルーゴを一ゴロに仕留めると、続くマートックをスプリットで空振り三振とし、2死を奪う。そして最後はアドゥッチをフルカウントからの6球目低めスプリットで空振り三振。マウンド上で軽くグラブを一度叩いて喜ぶ田中に、地元ファンから大歓声が送られた。
地元テレビ局「YESネットワーク」で長年実況アナを務めるマイケル・ケイ氏も興奮を隠せなかった。田中の絶妙に制球された低めスプリットにアドゥッチのバットが空を斬ると、「仕留めました! タナカのなんという投球でしょう! 無死二、三塁でした。それでも彼はタイガースに得点させませんでした。気合の入ったタナカです!」とまくし立てるように伝えた。
試合後にテレビのインタビューに答えた田中はこの場面を振り返り、「最後はしっかりといいところに落とせたので、あれは良かったと思います」と、納得の1球だったことを明かしている。
2009年以来のワールドシリーズ制覇を目指し、積極的な戦力補強に努めたヤンキース。だが、何より心強いのは、約1か月ぶりに白星を飾った田中の復活かもしれない。