大事な初戦を任された野尻 永田監督が「かなり信頼している」その理由とは…
野尻は「テンポよく、コントロールよく、変化球もよく、打たせて取れる」
先発のマウンドに送ったのは、柿木蓮(大阪桐蔭)でも、吉田輝星(金足農)でもなく、野尻だった。その意図を指揮官は、こう明かした。「初戦は誰かと考えながら、テンポよく、コントロールよく、変化球もよく、打たせて取れる野尻で行こうと」。格下相手で怖いのは、四死球などによる自滅。野尻は指揮官の思惑通りに好投した。
立ち上がり、1番打者を空振り三振に取ると、この回をわずか8球で片付けるテンポの良さ。2回も10球で3者連続三振に仕留め、3回もストライク先行で8球で3者凡退。今大会は球数制限というルールがある中で、3回をわずか26球、パーフェクトピッチングで投げ終え、指揮官も「かなり信頼している」と絶賛した。
4回に奥川、5回は市川をマウンドに送った。2人には全球真っすぐ勝負を指示。奥川は香港打線にこの日唯一の安打を打たれたものの、無失点。市川も難なく3人で片付け、永田監督も「ここで自信をつけさせようと。よかったと思います」とうなずいた。
大量リードとなっても、気の緩みを感じさせずに、最後まで全力で戦った侍ジャパンU-18代表。「最後まで集中してやることが日本の野球。それを実践してくれて次に繋がると思います。1つずつ戦っていこうときましたので、ここからも1つずつやっていきたいと思います」と指揮官も言う。アジアの頂点を目指した戦いは始まったばかり。まずは、上々の船出となった。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)