史上2球団目のセ3連覇へ突き進む広島 戦いながら進む世代交代をデータで分析

昨季は岡田と藪田、今季は大瀬良が先発ローテを牽引

 それでは投手陣はどうだろうか。先発投手は投球回数上位5人、救援投手は10セーブ、10ホールド以上は以下の通り。

【2016年】
〇先発
ジョンソン 22登12勝6敗0SV 0HD 153.1回 率2.23
黒田博樹 21登8勝7敗0SV 0HD 133.2回 率3.03
野村祐輔 21登12勝3敗0SV 0HD 128.2回 率2.87
岡田明丈 14登3勝3敗0SV 0HD 79.1回 率3.4
福井優也 12登4勝4敗0SV 0HD 70.2回 率4.46
〇救援
中崎翔太 53登2勝4敗27SV 7HD 53.1回 率1.52
ジャクソン 57登5勝4敗0SV 29HD 58.1回 率1.70
ヘーゲンズ 47登6勝3敗0SV 19HD 68.1回 率2.77
今村猛 54登3勝4敗0SV 14HD 60.2回 率2.82

 ジョンソンが12勝、ヤンキースから復帰して2年目の黒田が8勝を飾った。黒田はこの年限りで引退。救援ではクローザーになって2年目の中崎が活躍した。

【2017年】
〇先発
岡田明丈 22登12勝5敗0SV 0HD 134.2回 率3.61
野村祐輔 21登9勝4敗0SV 0HD 133.1回 率2.77
大瀬良大地 21登8勝2敗0SV 0HD 127回 率3.68
薮田和樹 35登13勝3敗0SV 3HD 106.1回 率2.62
九里亜蓮 28登6勝5敗0SV 0HD 106回 率3.91
〇救援
今村猛 60登1勝4敗23SV 13HD 56.2回 率2.54
ジャクソン 52登2勝2敗1SV 25HD 54回 率2.17
中崎翔太 48登3勝1敗4SV 24HD 46.2回 率1.35
一岡竜司 49登4勝2敗1SV 15HD 49回 率1.84
中田廉 47登2勝3敗0SV 12HD 42回 率2.57

 引退した黒田の穴を岡田、薮田が埋める。救援では今村が一時クローザーを務めるなど活躍。セットアッパー陣は全員、防御率3点を下回るなど優秀だった。

【2018年】
〇先発
大瀬良大地 22登15勝5敗0SV 0HD 146.2回 率2.21
岡田明丈 21登7勝5敗0SV 0HD 123回 率4.54
ジョンソン 19登10勝2敗0SV 0HD 117.2回 率2.98
九里亜蓮 20登7勝3敗0SV 0HD 96.1回 率4.67
野村祐輔 15登6勝3敗0SV 0HD 90.1回 率4.38
〇救援
中崎翔太 56登3勝0敗29SV 5HD 55回 率2.78
ジャクソン 42登3勝1敗1SV 23HD 40回 率2.70
フランスア 36登1勝3敗1SV 16HD 53.2回 率1.68
一岡竜司 49登3勝6敗1SV 14HD 46.2回 率3.28
今村猛 36登3勝2敗1SV 12HD 31.2回 率5.12

 大瀬良がエースの働き。ジョンソンは一時戦線離脱したが10勝到達。他の先発陣は今ひとつ冴えない。救援は中崎がシーズン通して活躍。後半からフランスアが目覚ましい働きをしているが、今村が不振に陥ったのが気がかりだ。

 3年間を振り返ると、広島は戦いながら世代交代を進めていることがわかる。それができるのは、若手選手が順調に育っているからだ。広島は他球団から大物選手を獲得することはない。ドラフトでの人材獲得の的確さ、そして優れた育成力で3連覇を果たそうとしている。

 今オフは丸と松山がFA権を取得するが、たとえ彼らが移籍しても若手の成長でそれを補っていくのだろう。今オフの展開にも注目したい。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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