2000安打の偉業達成間近 福浦和也を奮い立たせる20年前のロッテファンの姿

1998年、18連敗中も勇気を与えてくれたファンの歌声

 ちなみにではあるが、今井が生まれた1998年5月9日は千葉でロッテ-日本ハム5回戦が行われている。14時試合開始のデーゲーム。福浦は「3番・ファースト」でスタメン出場。4打数1安打。5回にはファイターズ先発の関根裕之氏から左安打を記録した。

 1軍で出場するようになって2年目。この年は近藤昭仁監督に大抜擢される形で129試合に出場。打率.284、3本塁打、57打点とプロで活躍するキッカケをつかんだ一年であった。

 なによりもこのシーズンは福浦にとっても、マリーンズファンにとっても忘れられない出来事があった年だ。18連敗である。千葉ロッテは日本プロ野球史上もっとも長い連敗を記録した。

「忘れられない。いろいろなことがあったよ。勝ち越しても勝ち越しても逆転されたり。球場でおはらいをしたりとかね」

 その中でも一番、記憶に残っているのは連敗中に声援を送り続けてくれたファンのことだ。本拠地での試合に敗れ、肩を落とし帰宅しようと選手駐車場に向かうと外にはファンがたくさん待っていた。ファンは選手たちを励まそうと帰るのを待っていたのだ。そして歌ってくれた。うつむきながら球場を出る選手たちを歌で励ました。

 用意されていた垂れ幕には「マリーンズ、オレたちがついているぜ」と書かれていた。福浦もその歌に勇気づけられた選手の一人だった。その時の光景は42歳になった今も決して色あせることはなく鮮明に覚えている。

「あの時、駐車場で聞いたファンの歌声は今もしっかりと覚えている。あんなに負け続けていたのに誇りに思っていると歌ってくれた。そんなファンの皆様に勝ってお返しをしたいと強く思った。自分にとってもマリーンズにとっても忘れられない年」

「気力で頑張るよ」ファンへの恩返しは地元での偉業達成

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