プロ野球選手が教える俺達のココを見ろ! 【~オリックス(ファーム)編~】
多くの若手が1軍の舞台を経験 新陳代謝進む
8月の戦いを終えたプロ野球はリーグ優勝から順位争い、個人タイトルレースまでも佳境を迎えた。注目が集まるのは1軍で活躍する選手のプレーだが、ファームで牙を研ぐ選手に目を向けても、その個性は実に魅力に溢れている。
ここ数年、オリックスは主力選手の故障に悩まされ、高いポテンシャルを発揮し切れないシーズンが続く。だが、その分、多くの若手が2軍を経て1軍の舞台を経験し、巧みなドラフト戦略も相まって新陳代謝は確実に進む。ファームを預かって3年目の田口壮監督は、基本的に「実戦をやってみてどうか」と「それに対して起きたことの検証」のサイクルを繰り返す。
それでも、「今日、何かを掴むかもしれないし、1軍に突然呼ばれて活躍する可能性もある」「2軍で駄目だから1軍でも駄目だと言えば、一概にそうとも言えない」と、選手の「成長」が生き物であることを示唆する言葉には力を込める。舞洲で汗を流し、遠くない将来に球団悲願のリーグ優勝を目指す戦いへ加わるであろう若手に、それぞれのアピールポイントと注目しているチームメイトを語ってもらった。
背番号「48」 齋藤綱記投手
〇年齢:21歳(4年目)
〇投打:左投左打
〇2018年ファーム成績:40試合(救援40) 2勝1敗0セーブ 33.2投球回 与四球率3.48 奪三振率8.82 防御率1.34
〇アピールポイント「スライダーです。細かいことはあまり考えずに、一番自信がある球なので。空振りがとれて、自分のウイニングショットになるボールを目指しています」
〇チームメイト「佐野皓大。(魅力は)足。速すぎる(笑)」
背番号「63」 山崎颯一郎投手
〇年齢:20歳(2年目)
〇投打:右投右打
〇2018年ファーム成績:19試合(先発18/救援1) 4勝7敗0セーブ 94.1投球回(リーグ1位) 四球率5.34(リーグ1位) 奪三振率4.87(リーグ2位) 防御率4.77(リーグ2位)
〇アピールポイント「身長ですね。190センチなので高さがあって、努力ではできないものだと思いますので。親からもらった大きい体を使って投げるストレートを見てほしいです。課題は変化球の精度ですかね。もう少しで掴めそうなところまできているとは思いますが」
〇チームメイト「榊原(翼)ですね。力強い、いいストレートを持っていると思います」
背番号「65」 青山大紀投手
〇年齢:23歳(3年目)
〇投打:右投左打
〇2018年ファーム成績:25試合(先発2/救援23) 2勝1敗3セーブ 30.2投球回 与四球率3.82 奪三振率9.39 防御率3.52
〇アピールポイント「自分の中では変化球が得意だと思っていますが、バッターを抑えるイメージを広げるということもあり、今は真っすぐを速くしようと取り組んでいます。球速もだいぶ上がってきていますので、ストレート、変化球、全体的に見てほしいですね」
〇チームメイト「齋藤は今年からサイドに変えて、1年も経ってないのに形になっている。それで、あれだけ抑えて1軍にも呼んでもらって。めっちゃ努力家なんで、努力してきた結果が今出てると思います。張(奕)もピッチャーになったばかりなんですけど、あの真っすぐは持って生まれたものだと思うので魅力があります。山崎颯一郎は恵まれた体ですごいボールを投げるので、まだ高卒2年目ですし山本由伸みたいになれると思います」
背番号「66」 吉田凌投手
〇年齢:21歳(3年目)
〇投打:右投右打
〇2018年ファーム成績: 10試合(先発4/救援6) 3勝2敗0セーブ 32.1投球回 与四球率2.78 奪三振率5.85 防御率4.18
〇アピールポイント「どちらかというと変化球の方に自信があるので、できればそこを見ていただきたいと思います。特にスライダーは高校のときから自信がある球種のひとつなので、カウントがとれたり、勝負球にできる感覚があるボールで、自信を持って投げてます。曲がり幅や球速をできるだけ変えるようにはしていますね」
〇チームメイト「やっぱり(佐藤)世那じゃないですか。投げ方をサイドスローに変えて、がんばっていると思います。(活躍すれば)僕もうれしい気持ちはありますし、いい刺激にもなるのでがんばってほしいと思います」
背番号「68」 鈴木優投手
〇年齢:21歳(4年目)
〇投打:右投右打
〇2018年ファーム成績:31試合(先発1/救援30) 0勝0敗1セーブ 31.2投球回 与四球率4.11 奪三振率8.53 防御率1.99
〇アピールポイント「真っすぐの勢いで押していくピッチングですね。今は平均球速も上がっていると思いますので、(平均球速)150キロを目標にして、それを超えられるようしたいです。バッターの反応も大事にしていますが、甘いゾーンに投げても、空振りとまではいかなくても、ファールでカウントを稼げる真っすぐ。狙われてもファールにしかならない真っすぐが投げたいですね。あとは、フォークも自分の武器なので、三振を多くとるピッチングです」
〇チームメイト「齋藤です。同い年ですし、1軍に上がらないといけない年齢にもなってきたんで、そこに懸ける思いや1試合に対する集中力も変わってきていると思います」
背番号「122」 張奕投手
〇年齢:24歳(2年目)
〇投打:右投右打
〇2018年ファーム成績:4試合(救援4) 0勝0敗0セーブ 4投球回 与四球率2.25 奪三振率9.00 防御率2.25
〇アピールポイント「外野手のときから、肩に自信がありましたし、やっぱり真っすぐですね。(求めるのは)真っすぐのキレもそうなんですが、150(キロ)も出したいです。そこから制球をレベルアップしていきたいと思っています」