NPB復帰目指しBCリーグで3年 元Gボウカー感謝「未来の可能性を広げてくれた」

ボウカーがチームに抱く思い「監督をはじめ、みんな本当にいい仲間なんだ」

 もう一度チャンスがあるかもしれない。そんな願いを託しながら「打席での集中力を意識しながら」プレーした今季は、打率.359、9本塁打、49打点の成績ながら、シーズン中に声が掛かることはなかった。岩村監督は「NPB球団との需要と供給が合うか合わないかもあるし、独立リーグでいい成績を残すのは当たり前。打撃も守備も、ほぼ完璧なパフォーマンスでアピールできなければ、NPBには認めてもらえない」と、厳しい実情を語る。

 もちろん、心が折れそうになったこともある。それでもボウカーが福島でプレーし続けるのはなぜか。それは、野球が好きだから、そして福島ホープスが好きだから、だ。

「この年になって、野球をプレーし続けることは難しい。その場を与えてくれたのがホープス。若い選手と一緒にプレーすることで、いい刺激を受ける。監督をはじめ、みんな本当にいい仲間なんだ。日本の文化や福島の人々も大好きで、自分にとって野球のシーズンにあたる半年を日本で過ごし、半年をアメリカで過ごすというサイクルが、とてもバランスが取れているんだ。もちろん、今後について考えることもあるよ。永遠にこの状態を続けることはできないから。ただ言えるのは、福島で過ごした3年は、未来の可能性を広げてくれたということだね」

 来シーズンも福島に戻ってくるのか問われると、温和な笑みを浮かべながら「う?ん……まだ分からない。オフにゆっくり考えてみる」と語った。この冬、ボウカーがどんな決断を下すのか、それはまだ本人にも分からないのかもしれない。どんな決断を下すにせよ、3年間、福島のためにプレーし、盛り上げてきた助っ人の意思を、チームやファンは温かくサポートしてくれるに違いない。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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