春日部共栄、投手戦を制し関東大会出場決定「共栄も忘れてほしくなかった」
サヨナラで浦和実を撃破、8年ぶり決勝進出「1点取るのにこれだけ苦労したのは久しぶり」
秋季埼玉県高校野球大会は6日、県営大宮球場で準決勝が行われ、シード校で唯一ベスト4に残っていた春日部共栄が浦和実に延長12回、1-0でサヨナラ勝ちし、8年ぶり11度目の決勝に進むとともに、来春の選抜大会出場の懸かる関東大会(10月20-23、27、28日・山梨県)の出場権も獲得した。
春日部共栄は準決勝までの3試合で25得点。初戦の2回戦を7回コールド、3回戦を8回コールドという活発な打撃で勝ち上がってきた。ところが浦和実の先発、1年生右腕・豆田泰志に手を焼き、5回まで散発2安打。6回から継投した右腕の三田隼輔にも11回まで2安打に抑え込まれ、三塁すら踏めない苦戦に陥っていた。
春夏合わせて通算7度の甲子園に導いた39年目の老練、本多利治監督が「3点くらいは取れると思ったが、2人とも制球が良かった。1点取るのにこれだけ苦労したのは久しぶりだなあ」とひと息ついたように、得点できそうな雰囲気はなかった。
しかし、4番でエースの胸の内は違った。前日の準々決勝に続いて公式戦初の2連投となった2年生の村田賢一は、浦和実の2人に負けず劣らずの粘投を披露。「自分が抑えて打てばチャンスが来ると信じていた」との言葉通り、初回に四球の走者を盗塁と捕手の失策で三進させたほかは、ほとんど得点機会を与えなかった。
貧打戦と言ったら3投手に失礼だ。引き締まった出色の投手戦である。両チームともゼロ行進が続き、埼玉県の公式戦では今夏の3回戦、武南-市立川越に続く2度目のタイブレーク突入が確実視されていた矢先だった。