日本S進出の広島緒方監督、シリーズMVP菊池を絶賛「あれは大きなプレー」
シリーズの分け目は第2戦「昨日のゲームで勝てたのが大きかった」
■広島 5-1 巨人(19日・マツダスタジアム)
広島は19日、マツダスタジアムで行われたクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第3戦の巨人戦に5-1で勝利し、2年ぶり8度目の日本シリーズ進出を決めた。負けなしの3連勝で悲願の日本一がかかる舞台に駒を進め、緒方監督は「チーム全体が、非常にいいムードになっている」と、最後の決戦に向けて明るい表情を浮かべた。
初戦の大瀬良から2戦目のジョンソン、そしてこの日の九里と、3試合とも先発投手に勝ち星が付く理想的な展開だった。緒方監督は「3試合ともしっかりピッチャーが投げきってくれた。それを助けたのが守備。いいプレーが随所で出て投手を助けた」と、ディフェンス面の勝利を強調した。この日も、8回に先頭打者の立岡が放った二遊間のゴロを菊池がダイビングキャッチし、素早い送球でアウトにした好守に触れ、「あれは大きなプレー。無死からああいうプレーをしてくれたらピッチャーは本当に助かる」と、シリーズMVPを獲得した守備の名手を絶賛した。
「昨日のゲームで勝てたのが大きかった。その勢いで今日の勝ちにつながった」と、前夜の逆転勝ちを今シリーズの分岐点とした指揮官は、日本シリーズ進出を決めたゲームでも「先制点を取れたのが大きかった。そこからヒットじゃないけど、2点目を取れたのもよかった」と、安部の内野ゴロの間に野間が生還した追加点を評価した。
先発して6回途中1失点と好投した九里や先制打を放った野間など、シリーズを通じて、昨年まではレギュラー格ではなかった選手の活躍も目立った。緒方監督は「こういう舞台を経験できるのは大きいことだし、結果が出れば自信にもなって、またひと回り大きくなれる」と選手のさらなる成長に期待する。
セレモニーでは「チーム一丸となって、ファンとともに日本一を勝ち取りましょう」と高らかに宣言した指揮官だが、囲み取材の最後では「またしっかり調整して、次に向かってやるだけです」と、いつもの姿勢を貫いた。最後に、今季限りで退任する巨人の高橋監督と試合後に言葉を交わしていたことを聞かれると、「3年間、お疲れ様でしたと、そういうことを言っただけだよ」と多くを語らず。セ・リーグの代表として、様々な人の思いを背負いながら、チームは34年ぶりとなる日本一がかかる舞台へ臨む。
(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)