“2位縛り”での指名漏れから2年 日本通運の155キロ右腕が迎える運命の日
社会人で投球術&精神面とも大きく成長、今は何位でもプロへ
卒業後は2年後の上位指名を目指し、日本通運に入社。1年目は怪我の完治を最優先にして、主に抑えを任された。都市対抗野球大会では2試合2回を無失点に抑えたが、決勝の対NTT東日本戦では、9回3点ビハインドの場面で登板し、3失点を喫した。この時「2位縛り」が生意気だったと気がついたという。
「自分はまだ通用しないということを自覚しました。プロに行かれる方は、実力があるからこそ行くんだなって、対戦して思いました。2位縛りは甘かった。生意気なことを言っていたなと思いました」
それから1年後、今年の都市対抗野球大会予選では第1代表決定戦準決勝で完封。第2代表決定戦では8回を無失点と好投し、チームを本大会出場に導いた。本大会は惜しくも2回戦で敗退したが、社会人での2年間は成長することばかりだったと充実した表情を浮かべる。
「大学までと違って、ストライクゾーンも狭いし、真っ直ぐ一本では社会人のバッターは抑えられません。大学までは球速メインで投げていましたが、社会人の2年間で変化球のコントロールを磨きました」
また、精神的にも変化があったという。
「大学の時は、試合中に相手のヤジに反応して、それを態度に出していました。無理に抑えようとして打たれたりして、ピッチングにも影響が出ていました。社会人でも一度あったんですけど、キャプテンから『やめろ』って注意されて。それからは態度に出さず、しっかり投げるようにしています」
何より、社会人の2年間で自信を得た。今なりたいのは、プロ野球選手。ドラフトでの指名順にもこだわりはない。
「社会人では怪我なくやってこられたし、2年前より自信もある。自分の一番いいところでドラフトを迎えられると思います」
プロのマウンドで躍動を誓う生田目の元に、吉報は届くだろうか。
(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)