残りものには福がある!? 過去10年の“外れ1位”はどれだけ活躍しているか?

ヤクルトは過去10年のうち8年で抽選を外している

〇広島(4人)
2016年 加藤拓也 ×田中正義 ×佐々木千隼
2014年 野間峻祥 ×有原航平
2012年 高橋大樹 ×森雄大 ×増田達至
2010年 福井優也 ×大石達也

 広島は2014年、地元出身の有原を抽選で外し、野間を指名。その野間は今季、準レギュラークラスとして活躍し、チームの3連覇に貢献した。2010年は早稲田の大石を外して、チームメートの福井を指名した。

〇ヤクルト(8人)
2017年 村上宗隆 ×清宮幸太郎
2015年 原樹理 ×高山俊
2014年 竹下真吾 ×安楽智大
2013年 杉浦稔大 ×大瀬良大地
2012年 石山泰稚 ×藤浪晋太郎
2011年 川上竜平 ×高橋周平
2010年 山田哲人 ×斎藤佑樹 ×塩見貴洋
2009年 中澤雅人 ×菊池雄星

 12球団の中で特徴的なのが、このヤクルトか。ここ10年で抽選は全敗。12球団最多となる8度も外しているヤクルトだが、2010年には斎藤、塩見の“外れ外れ1位”で山田哲人を指名。2012年には藤波晋太郎の“外れ1位”で石山泰稚を獲得。2015年の原樹理もまずまず活躍と、抽選で外しても、大きな収穫を得ている。

〇巨人(4人)
2017年 鍬原拓也 ×清宮幸太郎 ×村上宗隆
2016年 吉川尚輝 ×田中正義 ×佐々木千隼
2013年 小林誠司 ×石川歩
2011年 松本竜也 ×菅野智之

 2011年、相思相愛だった菅野智之を外し、松本を獲得。しかし松本は1軍出場のないまま野球賭博で退団した。2013年の小林、2016年の吉川尚は1軍の主力メンバーとなっている。

〇横浜・DeNA(6人)
2016年 浜口遥大 ×柳裕也 ×佐々木千隼
2014年 山崎康晃 ×有原航平
2013年 柿田裕太 ×松井裕樹
2012年 白崎浩之 ×東浜巨
2011年 北方悠誠 ×藤岡貴裕 ×松本竜也
2010年 須田幸太 ×大石達也

 今やDeNA不動のクローザーとなっている山崎康晃も、2014年の有原航平の“外れ1位”。ルーキーイヤーで10勝をマークした浜口は柳、佐々木の“外れ外れ1位”だった。

〇中日(4人)
2017年 鈴木博志 ×中村奨成
2015年 小笠原慎之介 ×高橋純平
2013年 鈴木翔太 ×松井裕樹
2009年 岡田俊哉 ×菊池雄星

 中日は過去10年で4度、抽選を外して“外れ1位”で4人の投手が入団している。2009年の岡田を筆頭に、鈴木翔、小笠原、鈴木博と、4人ともに1軍の戦力となっており、決して悪い結果にはなっていない。

〇阪神(6人)
2017年 馬場皐輔 ×清宮幸太郎 ×安田尚憲
2014年 横山雄哉 ×有原航平 ×山崎康晃
2013年 岩貞祐太 ×大瀬良大地 ×柿田裕太
2010年 榎田大樹 ×大石達也
2009年 二神一人 ×菊池雄星
2008年 蕭一傑 ×松本啓二朗 ×藤原紘通

 2008年、2013年、2014年、2017年と4度も2度抽選に外れている阪神。くじ運に恵まれていないだけでなく“外れ1位”指名でも苦戦している。10年で6人の“外れ1位”で1軍で戦力となっているのは岩貞のみ。2010年の榎田はトレードで移籍した西武で大ブレークした。

 こうしてみると、本命の1位指名を外したとしても、“外れ1位”で活躍している選手は数多くいる。むしろ、1位で指名した選手よりも、結果的には“外れ1位”のほうが活躍しているケースだってある。まさに、そうなれば「残り物に福」。今年のドラフトには一体どんな「外れ1位」のドラマが待っているだろうか。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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