前田健太が2回無失点 流れ変えた狙い通りのバント処理「落ち着くことができた」
延長15回から2イニングを無失点で勝利に貢献
■ドジャース 3-2 Rソックス(日本時間27日・ロサンゼルス)
ドジャース前田健太投手が26日(日本時間27日)、ロサンゼルスのドジャースタジアムで行われたワールドシリーズ第3戦に登板。史上最長となる延長18回、7時間20分の死闘で、2イニングを1安打1四球5奪三振無失点と好投し、チームの勝利に大貢献した。
前田は2-2の延長15回に7番手としてマウンドへ。内野安打と四球で無死一、二塁としたが、バスケスの送りバントを的確に処理。三塁で走者を刺して、流れを引き寄せた。レオンとベッツを三振に斬り、無失点とすると、続投した16回も3者三振。打者5人を連続三振に斬る快投で、強打レッドソックス打線を退けた。
試合後、自らに流れを引き寄せたバント処理に話が及ぶと、「バントさせて三塁でアウトにすることしか考えていなかった」と狙い通りのプレーだったことを“告白”。まるで守備のお手本のようなプレーを決め、「そこから自分的にも少し落ち着くことができましたし、気分的にも乗っていくことができた」と笑顔を見せる。
昨年のプレーオフでは、救援投手として9試合に投げて2勝0敗、防御率0.84と無双の働きを見せた。だが、今季プレーオフでは7試合に投げて2失点を喫し、防御率は2.84。決して悪くはない数字だが、本人は「昨年に比べればそんなに良くなかったと思うので、自分では」と手厳しい。だが、5万人を超える本拠地ファンの声援を受けながら好投を披露。「ワールドシリーズっていう特別の試合で、こういう試合展開で、いつもより気持ちが入って、いいピッチングを取り戻すことができた。正直今日のピッチングは自分の中ですごく大きかったので、いいきっかけになる。今まであまり良くなかった分、取り戻せるのかなと思います」と大きく頷いた。
試合は史上最長となる延長18回、7時間20分の末、劇的なサヨナラ勝利。「明日勝つことでタイに持っていくとこもできますし、2勝0敗から追いつかれたチームと、0勝2敗から追いついたチームとでは、流れというか勢いは追いついた方が出てくると思う。とにかく明日勝って追いつけば波に乗れるんじゃないかと。また明日全員で頑張りたいです」。2連敗していたドジャースが1つ白星を返し、反撃の狼煙を上げた。
(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)