FAで最大注目のハーパーは“期待外れ”!? それでも新契約は総額400億円超か
若きスーパースターについて米メディアが予想「450億円近い契約にはならないだろう」
今オフ、メジャーリーグで最も大きな注目を浴びているのが、ナショナルズのブライス・ハーパー外野手だ。フリーエージェント(FA)となった若きスーパースターについては、資金力のある球団が争奪戦を展開すると予想されており、史上最高額の超大型契約を結ぶ可能性が高い。ただ、デビュー当初に予想されていた5億ドル(約565億円)には遠く及ばない見込みで、米メディアはここまでの成績を“期待外れ”と見ているようだ。
ESPNでは、今オフ注目トピックのトップ10を紹介する特集を掲載。個人タイトルの発表、殿堂入り投票結果の発表に加え、契約破棄の権利を持つクレイトン・カーショー投手(ドジャース)、ハーパーと共にFA選手の目玉となっているマニー・マチャド内野手(ドジャースからFA)という注目選手の名前も挙がる中、1位には「ブライス・ハーパー」が選出されている。ただ、寸評の歯切れは悪い。
「5年前、我々は2018年秋までにハーパーが複数のMVP受賞、ワールドシリーズのリング、将来的に500本塁打達成という前代未聞の成績で、この世代を代表する選手になるだろうと予測した。このような実績なら、4億~5億ドル(約452億~565億円)の契約となるだろう。そうした日はまだ訪れていない」
5年前といえば、デビュー2年目でまだ20歳だったハーパーが打率.274、20本塁打、58打点、OPS(出塁率+長打率).854を記録した年。2010年の全米ドラフト1位でナショナルズに入団した天才は、わずか2年でメジャーデビューを果たし、順調に成長を続けていると見られていた。
だが、ハーパーがその後、持っている能力を存分に発揮したと思われるのは打率.330、99打点、リーグトップの42本塁打、OPS1.109を記録してMVPに輝いた2015年、そして、打率.319、29本塁打、87打点、OPS1.008をマークした2017年くらい。低調な年もあり、デビュー7シーズンの通算成績は打率.279、184本塁打、521打点、OPS.900となっている。5億ドルプレーヤーの価値はないというのだ。
記事では「もうすぐ26歳になるハーパーは素晴らしい才能を持っていて、素晴らしい成績を収めている」としながら、「フィリーズ、ドジャース、カブスなどは巨額のお金を支払うだろうが、恐らく4億ドルに近い金額とはならないだろう」と指摘。5年前に想像したような結果にはならないと結論づけている。さらに、「1人の選手に年俸3000万ドル(約34億円)を支払うよりも、年俸1500万ドル(約17億円)の選手2人、年俸1000万ドル(約11億3000万円)の選手3人の方を好むチームもあるかもしれない」とも言及。大争奪戦とはならないというのだ。実際に、ハーパーがファンであることを公言し、かつて大本命になると見られていたヤンキースは、現時点では獲得に動かない可能性が高いと報じられている。
それでも、新契約は少なくとも3億5000万ドル(約400億円)に達し、2014年オフに大砲ジャンカルロ・スタントン(現ヤンキース)がマーリンズと結んだ3億2500万ドル(約367億円)を超えて史上最高額になると予想されているが、果たして……。ハーパー“狂想曲”から目が離せなくなりそうだ。
(Full-Count編集部)