北海道から発信する新たな球場の形 社会・地域との共生目指す日本ハムの思い
開閉式屋根の設置で天然芝のフィールドが可能
新施設の主なポイントは以下の通り。
◯37ヘクタールの広大な敷地内に公園も整備
敷地面積は約37ヘクタール。新球場の建設と並行して、北広島市とともに敷地内に公園施設を整備する。隣のレクリエーションの森から流れてくる水を生かした水辺の憩いのスペースや、四季折々の花々が楽しめる場所、各種アクティビティーを満喫できる場所をつくる。また、バーベキューやグランピングのスペースも用意する。
◯2枚構造の三角屋根
屋根は2枚構造になっており、大きい方の屋根が可動するリトラクタブルルーフを採用。可動する屋根の長さは約160メートルでセンターからホームプレート側に向かって移動し、開閉には約25分要する。開閉式屋根により、雪が降る北海道でも天然芝のフィールドが可能になった。斬新なデザインだが、北海道に古くから多く存在する切妻屋根をモチーフにしている。周囲との調和を考慮して、建物の威圧感を減らすために高さを抑え、建物の中層部にはテラスを設け、屋上には庭園をつくる。
◯非対称のフィールド
建築面積は約5万平方メートルで収容人数は約3万5000人。メジャーリーグの球場と同様、フィールドはグラウンドを掘ってつくる。フィールドレベルは地下1階、地上4階建て、高さ約70メートルの建造物になる。左右非対称になる見込みだが、フィールドの具体的な形状については、チームから戦略上の意見を聞き、今後詰めていく。
◯特徴的なグラスウォール
センター後方にある70メートル×160メートルの巨大なガラス(グラスウォール)が存在感を放つ。球場内が明るくなるだけでなく、太陽光が天然芝に当たることで芝を育成するという機能性も持ち合わせる。将来映像装置として使うことも視野に入れている。このグラスウォールの下の部分は、球場の中と外の境界線をなくしている。高さ約10メートルのガラス壁を開くと、球場と公園、水辺エリアがつながり、野球観戦と公園を同時に楽しめる空間が広がる。球場外からも野球観戦や球場の雰囲気が楽しめるようになっている。