現役チアが語る仕事の魅力 努力、成長、達成感…やりがいと喜びが一杯

球場外の仕事やイベント運営への参加、単独ライブ開催など多忙な毎日

 福岡ソフトバンクの「ハニーズ」は、試合時は試合開始約5時間前にはドームに集合。準備ができたメンバーから各自ストレッチやトレーニングを行うが、その姿は試合前のアスリートそのものだ。進行ミーティングの後、試合前オープニングパフォーマンスの練習を本番同様に行い、全員で円陣を組んで気合を入れた後、それぞれの業務の準備を行う。

 試合開始2時間前の野外ステージで踊るメンバーもいれば、花束贈呈や始球式などのアテンドを担当するメンバー、試合開始30分前にはグラウンドでDJたちと一緒にMCを担当するメンバーも。

 試合中もマスコットと一緒に写真撮影会を実施したり、一、三塁スタンド客席通路に設置されているお立ち台とグラウンドに分かれてウーハーダンスというパフォーマンスを披露したり、ファンにマイクを向けたり、チームが勝利すればセレモニーに参加し、ヒーローインタビューでの花道を作って、『いざゆけ若鷹軍団』のパフォーマンスを行う。

 息つく間もないぐらい、細かな仕事が用意されているが、全員がドーム内を動き回り、それぞれの担当が責任を持ってやり抜くことで、観客を退屈させることなく、満足度につなげているという。

 タイムスケジュールだけを見ても忙しさが伝わってくるチアリーダーだが、仕事は球場内だけではない。球場外のイベント活動や、球団のPR活動、学校・幼稚園訪問といった仕事もあるという。

 オリックスの「BsGirls」はオフシーズンに、単独ライブを開催する。ライブ用のダンスは多い日で1日6~7時間ほど練習し、オリジナル楽曲の歌詞はもちろん、ライブの構成や企画なども自分たちで考える。選手の登場曲をメドレーにしてパフォーマンスするなど、単独ライブといえども、チームを感じてもらえるような構成にしているとか。「ファンの皆さんと盛り上がれる空間を作れることが、すごく楽しいです」(CHALさん)。

 東北楽天の「東北ゴールデンエンジェルス」は、球団の職員と一緒に客席を清掃したり、球団全体の朝礼に出席したり、イベント開催のミーティングに参加したりすることも。「職員と一緒に演出を考えるなど、準備段階から携わることで、与えられたダンスをただ踊るのではなく、パフォーマンスを一緒に作り上げるという当事者意識や、チアリーダーとしてのプライドが生まれます。そんな情熱を持って臨んでいることが、私たちのパフォーマンスや活動を通じて少しでもファンの皆さんに伝われば嬉しいです」とKANOKOさんは語る。

「ハニーズ」のNAYONさんは、「ステージを終えた後、お客様から『お疲れ様!』『元気出たよ!』と声をかけてもらい、チームが負けたときでも、『また明日頑張ろうね!』『次は勝とうね!』と温かいお言葉や感謝の気持ちをいただいた時はうれしいし、次も頑張ろう!と思います。ヤフオクドームで日本一になった瞬間を、ファンの方々やメンバー全員と一緒に見て、喜びを分かち合えた時は今も忘れられません」とこの仕事のやりがいについて話してくれた。

グラウンドに立てばどんな辛いことも吹っ飛ぶ

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