ロッテ荻野、最年長外野手で迎える10年目への思い 「背中で見せられるように」
無情にも訪れた離脱のとき 同時にチームも急降下
大きな故障もなく7月を迎え、監督選抜で初のオールスター選出を決めた。しかし喜びも束の間、またしてもケガに泣かされる。7月9日の埼玉西武戦で打席中に右手指を骨折。自身初の球宴出場はならなかった。
ただ「オールスターに関しては、そんなに強い気持ちというのはなかった。シーズン途中で抜けてしまうというのが、オールスター自体よりも悔しかった」と振り返る。
浦和球場では落ち込むそぶりを見せることなく「ケガをしている中で、できることは色々ある。少しでも進化できるように」黙々とリハビリに励み、8月の終わりには「残り何試合でもいいので力になりたい」と語ったが、1軍に戻ることは叶わないままシーズンを終えた。
チームも荻野貴の故障前は39勝37敗2分と勝ち越していたが、離脱後は20勝44敗1分と負け越し、最後は最下位・東北楽天と1ゲーム差の5位でフィニッシュ。不動のリードオフマンの存在の大きさを、改めて突きつけられる形となった。
10月に入ってからは打撃練習を再開。今季「より引きつけて打つということをすると、短くなってきた。短く持とうと思って持っていない。短い方がしっくりきたという感じですね」とバットを短く持つスタイルだった。
だが、故障明けのティー打撃では「今は大きく振ることを意識しているので、長めにもっています」。「これからやっていく中で変わると思う」と、試行錯誤しながら自身の一番良い形を見つけていくとのことだ。
来季で節目の10年目、33歳のシーズンを迎える。1学年上の岡田幸文外野手が引退し、来季は清田育宏外野手とともにチーム最年長の外野手になる。「あんまり引っ張っていけるタイプではないので、やれることをやって、お手本じゃないですけど、意識の面で、背中で見せられるようにしたいと思います」と意気込む。
ベテランと呼ばれる年齢に差し掛かったが、レギュラーとしてまだまだやれるだけの力は持っている。来季こそ背番号の通り健康体を維持し、フルシーズンを駆け抜けたい。
(「パ・リーグ インサイト」編集部)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)