2018年パ6球団の2つの“誤算” 移籍で輝いた左腕、和製大砲の不振…
阪神から移籍の榎田は自身初の2桁勝利をマークしリーグ優勝に貢献
〇埼玉西武
【うれしい誤算】
榎田大樹投手
昨季成績:3試合 6.1回0勝0敗1ホールド 防御率1.42
今季成績:23試合 132.2回11勝4敗 防御率3.32
昨季の登板はわずか3試合だった左腕にとって、リーグを跨ぐ今回のトレードは大きな転機となった。新天地で4年ぶりに先発を任され、安定した投球を続けて首脳陣の信頼をガッチリとつかむ。その後も数少ない「計算できる投手」として勝ち星を積み重ね、自身初の2桁勝利を達成。自らの生きる道を切り拓き、移籍1年目で初の歓喜を味わった。
【復活に期待】
増田達至投手
昨季成績:57試合 56.1回1勝5敗4ホールド28セーブ 防御率2.40
今季成績:41試合 38.1回2勝4敗2ホールド14セーブ 防御率5.17
昨季まで2年続けて28セーブを記録し、守護神に君臨していた増田。しかし今季は安定感を欠く投球が目立ち、シーズン途中に抑えの座から外されることに。終盤には復調を感じさせたが、プロ入り以来5年続けて3点台以内だった防御率も5点台に落ち込む苦難のシーズンとなった。
〇千葉ロッテ
【うれしい誤算】
井上晴哉内野手
昨季成績:35試合113打数26安打0本塁打11打点 打率.230
今季成績:133試合476打数139安打24本塁打99打点 打率.292
昨季まで1軍通算4本塁打だった井上は、5年目となる今季、ついに覚醒。チームの日本人選手としては、2013年の井口現監督以来となる20本塁打超えを果たしている。打撃面においては豪快なアーチはもちろんのこと、確実性と勝負強さも兼ね備えているだけに、本拠地の本塁打ゾーンが広がる来季は、さらなる成績向上に期待がかかる。
【復活に期待】
加藤翔平外野手
昨季成績:98試合271打数72安打5本塁打27打点 打率.266
今季成績:69試合121打数28安打0本塁打 9打点 打率.231
昨季はブレイクの兆しを見せてレギュラー定着まであと一歩に迫ったが、今季は改めて課題が浮き彫りとなるシーズンに。132打席でわずか5四球、出塁率.266という選球眼の問題も、出場機会を減らす要素の一つとなった。限られた機会で7盗塁を記録した俊足や巧みな外野守備は得難いものであるだけに、短所を少しでも減らして一軍定着を狙う。
〇オリックス
【うれしい誤算】
比嘉幹貴投手
昨季成績:8試合 8.1回0勝1敗1ホールド 防御率3.24
今季成績:43試合 35.1回0勝2敗9ホールド1セーブ 防御率2.04
2014年に62試合に登板して防御率0.79という驚異的な成績を残した比嘉。その後数年間は勤続疲労と故障によって低迷したが、今季は全盛期を彷彿とさせる投げっぷりでかつての「切り札」復活を知らしめた。8月4日の福岡ソフトバンク戦では、プロ入り初となるセーブも記録している。
【復活に期待】
T-岡田外野手
昨季成績:143試合504打数134安打31本塁打 68打点 打率.266
今季成績:97試合298打数67安打13本塁打43打点 打率.225
昨季は7年ぶりに30本塁打を放ち「浪速の轟砲」復活を印象付けたT-岡田。しかしオープン戦で大スランプに陥って開幕を2軍で迎えると、そのまま低空飛行。来季こそは、かつての本塁打王完全復活のシーズンとしたいところだ。