3億4000万円ロサリオが大誤算で17年ぶり最下位…阪神の助っ人を診断
メッセンジャーは3年連続2桁勝利、来季からは外国人枠外れる
阪神にとって2018年は屈辱的な1年となった。昨季はリーグ2位に入り、金本知憲監督体制3年目こそ、と2005年以来となるリーグ優勝を狙ったシーズン。終わってみれば、62勝79敗2分の借金15で2001年以来、17年ぶりのセ・リーグ最下位に沈んだ。
チーム防御率4.03はリーグ2位ながら、チーム打率.253、577得点はいずれもリーグ5位。この3項目全てで4位DeNAを上回っているものの、5ゲームの差をつけられた。金本知憲監督は責任を取って辞任。秋季キャンプからは、今季2軍監督を務めていた矢野燿大氏が新監督に就任した。
とにかく打てなかった印象の強い今季の阪神。その最大の要因となったのが、主砲として期待されていたロサリオの大不振だ。韓国のハンファから、阪神歴代外国人の1年目では史上最高額となる年俸3億4000万円プラス出来高(金額は推定)という破格の待遇で迎え入れた助っ人。メジャー通算71本塁打、韓国では2年間で70本塁打の実績を誇り、大きな注目を集めた。
だが、開幕を迎え、蓋を開けてみれば、日本の投手に対応できないまま。終盤は2軍に降格し、ファーム暮らしを余儀なくされ、75試合で打率.242、8本塁打40打点の成績に終わった。シーズン終了後にはウエーバー公示され、わずか1年での退団が決まった。
ロサリオの不振によって、急遽補強されたのが、ナバーロだった。カブス傘下3Aから6月半ばに加入。チーム事情としては、ロサリオに代わる大砲が必要とされたが、左のアベレージヒッタータイプだった。このナバーロは66試合で打率.276、3本塁打25打点。ロサリオよりも率は残したが、チーム状況を大きく好転させるほどの活躍ではなかった。
来日3年目、今季もセットアッパーとして計算されていたマテオは、わずか17試合の登板。右肩痛も相まって、5月下旬に登録を抹消され、6月下旬に一旦は1軍に復帰したが、すぐにファームへ。こちらもオフにウエーバー公示され、今季での退団が決まった。
来日9年目となったメッセンジャーは今季も大車輪の働き。先発の柱として28試合に先発して3年連続2桁勝利となる11勝。日米通算100勝にはあと1勝届かなかったものの、国内FA権を取得し、来季からは外国人枠を外れることになる。守護神のドリスは32セーブを挙げた一方で、7敗を喫しており、もったいなかった。
【阪神の今季助っ人成績】
マルコス・マテオ投手(退団決定)
17試合0勝1敗0セーブ4ホールド 14.2回 13三振 6.75
ディエゴ・モレノ投手(退団決定)
8試合0勝0敗0セーブ3ホールド 6.2回 6三振 2.70
ランディ・メッセンジャー投手
28試合11勝7敗0セーブ0ホールド
173.2回 149三振 3.63
ラファエル・ドリス投手
55試合1勝7敗32セーブ4ホールド 53.2回 56三振 2.85
呂彦青投手
1軍出場無し
ウィリン・ロサリオ内野手(退団決定)
75試合281打数68安打8本塁打40打点 .242 OPS.658
エフレン・ナバーロ内野手
66試合203打数56安打3本塁打25打点 .276 OPS.717
(Full-Count編集部)