楽天ドラフト8位・鈴木が大学先輩目指し最多勝誓う 「憧れている面が多かった」

ターニングポイントは3年春の東京ドーム

「自分の人生のターニングポイントは3年の春の東京ドームで投げた、福岡大の試合だと思うんです。あの試合でなんか、自信になったっていうか。多分、あの試合を投げていなかったら、今の自分はいなかったかなって思えるぐらいの大きい試合でした。あれはゾーンに入っていました(笑)。全国の舞台で投げられた経験、自分が投げて逆転して勝ったという経験、三振もいっぱい奪えて、あの試合になんかいっぱい詰まっていて。あそこから球速も10キロくらい上がったんです」

 全国大会で通用した自信が踏ん張らせた。その後、順調に階段を上ったかといえば、そんなことはキレイな話ではなく、悩み、苦しみながらの学生野球だった。大学生は即戦力と考えられがちだが、まだ完成された投手ではない。伸びしろ、将来性というのは何も高校生だけに使うものでもない。

 富士大・豊田監督が鈴木に休日の過ごし方を聞いた時、「だいたい、練習していますかね」と返ってきたという。

「テレビとかで野球を見ていると、野球をしたくなって我慢できなくなっちゃうらしいです。野球中毒だなって(笑)。それを聞いた時に、あ、こいつ、やっぱり、なんとかしてやらないとダメだなって感じたんですよ」

 この秋のリーグ戦が始まっても、豊田監督は鈴木の進路を真剣に悩んでいた。この野球小僧を何とかしてあげたい、と。8位とはいえ、プロはその力を評価し、スタートラインに立った。

「まだプロ野球という世界がどんな世界なのか、想像はできないんですけど、少しでも長く活躍してファンの方々に応援していただけるような選手になりたいです」。意気込みをこう語った鈴木。ドラフト8位から最多勝投手を目指す。

(高橋昌江 / Masae Takahashi)

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