連勝連敗重ねるも打線が効果的に機能…データで今季を振り返る【ヤクルト編】
守備での貢献度も高いトリプルスリーの山田
次に、ヤクルトスワローズの各ポジションの得点力が両リーグ平均に比べてどれだけ優れているか(もしくは劣っているか)をグラフで示してみました。そして、その弱点をドラフトでどのように補って見たのかを検証してみます。
グラフは、野手はポジションごとのwRAA(平均的な打者が同じ打席数立った場合に比べて増やした得点を示す指標)、投手はRSAA(特定の投手が登板時に平均的な投手に比べてどの程度失点を防いでいるかを示す指標)を表しており、赤ならプラスで平均より高く、青ならマイナスで平均より低いことになります。
坂口、青木、山田、バレンティンの上位打線がすべてプラスの貢献を示しており、効果的に得点を重ねていった様子が伺えます。特に二塁手・山田哲人の貢献ぶりが大きく目立ちます。打率 .315、本塁打34、盗塁33(成功率89.2%)とNPBでは史上初3度目のトリプルスリーを達成しました。OPSも1.014と1を超えています。
トリプルスリーも3度目となると、1度目、2度目よりも報道の扱いが小さいように感じますが、それはかの落合博満が3度目の3冠王を獲得した時の雰囲気に似ています。もちろん、記録の価値は何度とっても色褪せることはありませんが、かくなる上は、流石にトリプルフォーはハードル高いでしょうが、40-40(40本塁打40盗塁)はぜひ狙ってほしいものです。
なお、山田哲人は打撃だけでなく守備での貢献も光りました。ゴールデングラブ賞セ・リーグ二塁手部門は広島・菊池涼介が受賞しましたが、アウトにどれだけ寄与したかを示すレンジファクターでは、並み居る二塁手の中で最も高い数値となりました。
山田哲人 5.77
中村奨吾 5.75
菊池涼介 5.32
浅村栄斗 5.19