連勝連敗重ねるも打線が効果的に機能…データで今季を振り返る【ヤクルト編】

投手陣に依然残る課題、ドラ1清水に原、星に次ぐ活躍を期待

 投手陣は先発、救援ともにマイナス評価です。この窮状を補強すべく、ドラフトでは5人の投手を指名しました。大阪桐蔭の根尾昂、東洋大の上茶谷大河はくじで外してしまいますが、1位に東都大学リーグ・国学院大学の投手、清水昇を指名しました。4年生時、春のリーグで防御率1位を獲得するなど安定感に定評のある投手で、背番号は松岡弘、川崎憲次郎といった歴代のエースがつけていた「17」に決定するなどスワローズから即戦力右腕としての期待をかけられています。2015年1位の原樹理(東洋大)、2016年2位の星知弥(明治大)と、近年のドラフト上位の大学卒投手が名を連ねるスワローズの先発ローテーションの一角を担える逸材でしょう。

 2位指名は法政大学の中山翔太。履正社高校出身ですから山田哲人の後輩にあたるのですが、スワローズは2016年1位の寺島成輝、2017年6位の宮本丈に次いで3年連続で履正社高校出身者を指名しています。東京六大学リーグ通算11本塁打の強打が持ち味で、外野手指名ですが大学では一塁手としてベストナインに選出されています。

 移籍による補強は目立ちませんが、23歳の奥村展征や宮本丈といったプロスペクトの成長によって、下位打線側のコントラストが薄くなればより大きな得点力が得られることでしょう。

鳥越規央 プロフィール
統計学者/江戸川大学客員教授
「セイバーメトリクス」(※野球等において、選手データを統計学的見地から客観的に分析し、評価や戦略を立てる際に活用する分析方法)の日本での第一人者。野球の他にも、サッカー、ゴルフなどスポーツ統計学全般の研究を行なっている。また、テレビ番組の監修などエンターテインメント業界でも活躍。JAPAN MENSAの会員。近著に『統計学が見つけた野球の真理』(講談社ブルーバックス)『世の中は奇跡であふれている』(WAVE出版)がある。

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