パ新人王の楽天田中和基インタビュー 飛躍への転機は「8月5日のロッテ戦」
多く記憶に残る平石監督代行の言葉「やりやすさはある」
――「自身が選ぶベストプレー5」についてお聞きします。まず第5位は?
「第5位は7月28日のソフトバンク戦の初球先頭打者ホームランです」
――プレイボール直後、外角のストレートを捉えました。
「この日の試合前に、平石監督代行(現監督)から『最近、1打席目の内容が悪い』と言われていたんです。『空振りでも凡打でもなんでもいいから、初球思い切りいってみろ』と言われて初球の真っすぐをホームランにできたので、僕の中で印象に残っていますね」
――高校時代まで過ごした福岡のヤフオクドームで今季は打率.350、敵地で最多の3本塁打。やはり故郷での試合は特別ですか?
「プロ野球を観るときは絶対ヤフオクドームだったので、その場所でプレーできることはひとつのモチベーションになっていますね。今年結果を残せているのは、友達とかも見に来ているので、僕が意識してなくても勝手に高まっているのかもしれないですね」
――ベストプレーの第4位は?
「6月1日のヤクルト戦です。この日は先発のブキャナン投手から盗塁し、8回に秋吉投手からホームランを打ちました。そして9回の守りで、谷内(亮太)さんの打球を背走しながら捕って、(1塁)ランナーを刺すという併殺プレーを完成させられました。走攻守で活躍できたので、印象に残っています」
――ベストプレー第3位はどうでしょう?
「7月21日の西武戦、メットライフドームでの逆転満塁ホームランです。西武の先発は今井投手でしたが、2打席目のチャンス(3回無死2塁)で三振してしまったんです。打てる球を待った結果、甘い球がなかなか来ませんでした。その後、平石監督代行に呼ばれて『お前、ヒット打とうとしたやろ。球見過ぎや。別に結果は気にせんでええから、思いっきり行かんか』と言われて。(回ってきた)満塁のチャンスでは結果を気にせず、初球を思いきり振り抜くことができました」
――平石監督の言葉が多く印象に残っているようですが、今季はシーズン中の監督交代もありました。そのことについてはどう思っていますか?
「梨田前監督は、僕のことをまず一番に評価してくださった。入団する前から期待していただいていましたし、春のキャンプでも『田中に注目している』と言っていただきました。規定打席に乗ることができて、梨田さんの期待に少しは応えられたのかなと思います。平石さんは昨年ファームの監督をされていたので、一軍と二軍は選手の感覚とか全然違うとは思いますが、やりやすさはあると思います」
29日に掲載予定の後編ではベストプレーの2位と1位を発表。「プロ入りしたときの目標」を達成したプレーや、最下位からの逆襲を目指す2019年への意気込みを語ってもらっている。
(「パ・リーグ インサイト」馬塲呉葉)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)