オリのドラ4左腕は14人兄弟の三男坊 高校時代に指名漏れ乗り越えた家族への想い
14兄弟への想い「チケット、全員分取れるかな」
「トヨタは安定しているけれど、目指しているのはプロ。僕の中にプロに行かないという選択肢はない。上を目指してやらないと成長しない。僕はプロが一番上だと考えています」
トヨタ自動車からは2016年のドラフト3位で源田壮亮内野手が西武に、2017年のドラフト2位で藤岡裕大内野手がロッテに入団した。先輩たちの活躍も自信につながっている。
「源田さんは新人王を取って、クライマックスでもすごい打っていた。プロに行った人が活躍しているのを見ると、自信になります。『自分もプロに行ったら抑えられるかな』と思っちゃうけど、そうは甘くないですよね」
目標は先発ローテーション入りし、即戦力としてチームに貢献すること。そして2桁勝利を挙げ、新人王を獲得することだと力強く話す。
「やりやすいのは先発です。自分で試合を作りたいという気持ちもあります。でも、リリーフでピンチをしのいでもかっこいい。僕はどこでもやりたい。僕が目立てばそれでいいです」
目立ちたがり屋で負けん気の強い一面を見せるが、マウンドを降りれば8人の弟たちの優しいお兄ちゃんだ。
「実家に帰ったときは弟たちをゲームセンターに連れて行って、遊ばせています。僕より弟たちのほうが上手いんですよ。UFOキャッチャーでも、気が付いたら袋ぱんぱんに取っている。お菓子とかびっくりするくらい取るし『どうやって取ったの』っていうものまでいっぱい取っています。都市対抗が終わって帰ったときはびっくりしました」
夢は、兄弟全員を自分が登板する試合に招待することだ。「チケット、全員分取れるかな」と笑顔を見せる兄弟想いの左腕は、家族のためにプロの舞台での活躍を誓う。
(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)