優秀なリリーフと主軸を生かしきれず…データで今季を振り返る【DeNA編】

中軸の破壊力が得点につながらず、ソトが奮闘し本塁打王獲得も…

 打撃陣では筒香、ロペス、宮崎の主軸が20本塁打、OPS(出塁率+長打率)0.8以上を記録するなど、安定感は見せますが、その前後の打者とのコントラストが激しすぎて得点力向上に苦労しました。

 特に開幕から1番打者として期待されていた桑原将志が不調で、5試合目にしてスタメン落ち。代わりに1番を任されたドラフト2位ルーキー神里和毅も4月の出塁率.284、OPS.610と期待に応えられず、シーズン序盤から得点力不足に悩まされることになります。

 下位打線も梶谷隆幸やオリックスから移籍の伊藤光などを配置するなど試行錯誤しますが、打線の底上げがうまくいかず、ついには8月3日・広島戦の延長11回に投手ウィーランドが代打として登場するシーンも。そんな中、救世主として現れたのが前年テスト球団で加入したプエルトリコ出身のソトでした。

 5月6日に2番打者としてスタメンに名を連ねると、18試合で打率.354、本塁打4、OPS.930と主軸の前でチャンスをお膳立てする打撃を見せ、チームに貢献します。起用当初は24打席連続ノーヒットを記録したり、6月13日には発熱により登録抹消するなど好不調の波が激しかったのですが、復帰後は本塁打を量産。9月24日に34号を放った時点では、規定打席に到達していませんでした。

 そして球団新記録となるシーズン41本塁打でセ・リーグの本塁打王を獲得、本塁打率(打数/本塁打)10.15は両リーグ1位で、過去10年でみても、セ・リーグでは2013年バレンティンの7.32についで2位の記録です。

◯本塁打率ランキング(2009~2018、シーズン10本塁打以上)
1位バレンティン7.32(2013)
2位山川穂高9.93(2016)
3位ソト10.15(2018)
4位中村剛也10.44(2009)

 球団で4人がシーズン20発以上を記録したのは、1977年の田代富雄、松原誠、シピン、高木由一が記録して以来41年ぶりのことです。

 しかし、その中軸の得点力を持ってしても最後までチーム全体の得点力増強には至らず、3位巨人と1.5ゲーム差の4位。クライマックスシリーズ進出には至りませんでした。

筒香&宮崎以外の野手は平均以下、なぜかホームで不安定な守護神・山崎康

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