優秀なリリーフと主軸を生かしきれず…データで今季を振り返る【DeNA編】

ドラ1上茶谷にイニングが稼げる先発として期待、2位の伊藤で内野も補強

 ベイスターズはドラフトで1位に先発投手、2位に内野手と、現在弱点となっているポジションを即戦力と期待できる選手で補強するような指名を行いました。内野手として期待した報徳学園の小園海斗はくじで外しましたが、東都大学リーグ・東洋大の上茶谷大河を1位指名。イニングが稼げる先発投手としての期待がかかります。

 3年秋のシーズンまでシーズン未勝利でしたが、4年生で1部に昇格後、5試合で完投、4試合で8イニング登板などチームの1番手先発投手として活躍。最高速度152キロをマーク、奪三振率9.65、四死球率2.14、K/BB4.45、FIP1.81と抜群の安定感を示しており、ベイスターズ投手陣に不足していた先発右腕、来季からの即戦力として大きな期待がかかります。

 また2位指名の東都大学リーグ・立正大の伊藤裕季也はリーグ8本塁打と強打が持ち味。1位指名の上茶谷や、ヤクルト1位指名の國學院大・清水昇といったエース級からも本塁打を放っています。3年生まで一塁手でしたが、4年の春から二塁手としてプレー。現在弱点となっているベイスターズのセカンドの攻撃力の補強を期待されての指名で、背番号4はその期待の表れでしょう。甘いマスクは、若手イケメン選手で女性集客を狙うベイスターズの営業方針にもマッチしています。

 横浜スタジアムのライトスタンド増築に注目が集まるベイスターズですが、ファームの練習施設の強化にも着手。来年夏には横須賀市に「DOCK OF BAYSTARS YOKOSUKA」が供用開始予定で、若手選手の投打走攻守の戦力底上げを担う拠点となります。

鳥越規央 プロフィール
統計学者/江戸川大学客員教授
「セイバーメトリクス」(※野球等において、選手データを統計学的見地から客観的に分析し、評価や戦略を立てる際に活用する分析方法)の日本での第一人者。野球の他にも、サッカー、ゴルフなどスポーツ統計学全般の研究を行なっている。また、テレビ番組の監修などエンターテインメント業界でも活躍。JAPAN MENSAの会員。近著に『統計学が見つけた野球の真理』(講談社ブルーバックス)『世の中は奇跡であふれている』(WAVE出版)がある。コミュニティサイト「鳥越規央のデータ野球部」を開設。
https://butaiura.fan/community/torigoenorio/

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