3166安打のベルトレが引退会見「完璧な時」 元同僚ダルビッシュらも出席
将来の殿堂入り確実「常に自分のタイミングで引退したいと思っていた」
今季限りでの現役引退を決断したエイドリアン・ベルトレ内野手が11月30日(日本時間1日)、レンジャーズの本拠地グローブライフ・パーク・イン・アーリントンで記者会見を行った。歴代15位の通算3166安打を誇る強打者は今季も119試合に出場したが、「引退するのに完璧な時だと思った」と説明。チームリーダーとしてレンジャーズを牽引してきたベルトレの会見には、現在のチームメートに加えて、ダルビッシュ有投手(カブス)ら元同僚も多く駆けつけた。
ベルトレは、家族も見守った会見で「自分がしていることについて本当に幸せに感じているから、感情的になるつもりはなかった」と心境を説明。そのうえで「去るのは簡単な決断ではなかった。なぜなら、心の奥では、まだプレーできると信じているからだ。でも、今日が悲しい日だと思っているか? 思っていないよ。毎日家族と過ごすことを楽しみにしているからね」と話した。
メジャー21年間のキャリアでは、通算2933試合出場で打率.286、477本塁打、1707打点の成績を残し、米国野球殿堂入りも確実とされる名プレーヤー。今季も119試合に出場して119安打、打率.273、15本塁打、65打点をマークしており、現役続行を望めば、FAとなっていた39歳との契約に動く球団はあったはずだ。
だが、ベルトレ自身は「心の中では、常に自分のタイミングで引退したいと思っていた。引退を迫られたくはないと思っていた。スランプには対処できる。しかし、怪我をした時は我慢ができない。そうした年をもう1年過ごしたくはなかった」と明かす。近年は負傷離脱を経験しており、それが決断の理由の1つとなったようだ。ベルトレは「だから、引退するのに完璧な時だと思った」と話している。
約2週間前に決断を告げられたというレンジャーズのジョン・ダニエルズGMも「気まずい沈黙があったのか、言葉につまったのか、どのように返事したか覚えていない」とその時について振り返りつつ、「エイドリアンはテキサス・レンジャーズと球界に忘れられない跡を残した。彼は史上最高のエリート選手の1人だ。フィールドの外でもフィールド内と同じくらい本当に目立っていた」と、グラウンド内外で存在感を発揮した強打者を絶賛している。
地元テキサスのスペイン語系メディア「アルディアダラス」によると、記者会見には、ノマー・マザラ、ウィリー・カルフーン、ジョーイ・ギャロ、デライノ・デシールズ、そして盟友のエルビス・アンドラスらチームメートに加えて、ダルビッシュ、イアン・キンズラー、デレク・ホランド、マイケル・ヤングら元同僚も駆けつけたという。実際に、ダルビッシュらが映っている動画も公式ツイッターで公開している。ファンにも選手にも愛されたドミニカ共和国出身の強打者は、メジャー史に残る実績を残し、ユニホームを脱いだ。